渡辺裕之さん「1億円の損失」も努力で挽回していたが……「心の病」の深刻さ

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心の病を抱えつつも前向きに

 5月3日、俳優の渡辺裕之さんが神奈川県内の自宅地下にあるトレーニングルームで倒れていたところを発見され、死亡が確認された。66歳だった。大好きなゴルフの番組を持つなど、傍目には仕事面で大きな壁にぶつかっているようには見えず、しかも健康的で頑健なイメージが強かった。それだけに突然の訃報は、多くの人に悲しみとともに戸惑いを与え、「なぜ?」という疑問を抱かせているようだ。

 妻で女優の原日出子さんは10日、こんなコメントを出している。

《急すぎる別れから一週間、とても心の整理も出来ませんし、語る言葉も見つかりません。「何故・・・」は、きっと誰にもわからないと思います。ただ、コロナの最初の自粛の頃から、人一倍家族思いで心配性な夫は、先行きの不安を口に出すようになり、考え込むことが多くなりました。何事にもストイックで、一生懸命で、手を抜くことをしない人でした。「眠れない」と体調の変化を訴えるようになり、自律神経失調症と診断され、一時はお薬を服用していましたが、またお仕事が忙しくなって、元気を取り戻したようでもありました。しかし、少しずつじわじわと、心の病は夫を蝕み、大きな不安から抜け出せなくなりました。医師にも相談し、希望の持てる治療を始めた矢先の、突然の出来事でした。亡くなる前日は、楽しみにしていたゴルフ番組の収録に向けて、久しぶりに元気に動き回り準備をしていました(略)》

過去の損失を挽回し

 大きな悲しみを抱えながらも丁寧に状況を伝えているコメントからは、渡辺さん夫妻の真面目さ、誠実さがにじみ出ているようだ。このコメントから分かるのは、《心の病》と闘病する中で、病状は良くなったり悪くなったりを行きつ戻りつしていたことだろう。

「原さんのコメントから、渡辺さんが新型コロナで将来がどうなっていくのだろうという漠然とした不安を抱えていたことが伝わってきます。実際、企画が頓挫したり、撮影が先延ばしになったり……などといったことがあったようですから」

 と、担当記者。訃報直後には、かつての投資の失敗を伝える報道もあったが、少なくとも最近は経済的な問題を抱えているようなことはなかったという。

「個人名義かどうかはともかく、渡辺さんサイドの口座には1億円近い預金があり、金銭の問題はなかったと関係者から聞いています。たしかに過去には、投資に失敗して1億円以上の損失を出したことを自ら明かしていましたが、真面目な人ですから、地道に努力して仕事を重ねていましたので、経済面で不安を感じる状況だったとは思えません」(同・記者)

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