ママタレの「料理上手アピール」はもうお腹いっぱい? DAIGO、バカリズム、オズワルド伊藤…「ポンコツ料理男子」にホッとする時代

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 料理がうまい女はいい妻でありいい母である。それは常識か、果たして呪いか。少なくとも既婚女性タレントを縛っているもののひとつなのだろう。たとえば辻ちゃんも工藤静香さんも、アンチコメントがつくのに手料理の投稿はやめない。結婚初期の熊田曜子さんや木下優樹菜さんも、盛り付けやら彩りやら批判されていた。それぞれ万人受けするキャラではないし、ただの料理好きなのかもしれない。でも料理写真を投稿し続ける心理のひとつには、「炎上キャラに見えても家では手料理を作る良き妻・良き母」と語らずしてアピールするのに一番便利だからではないかと勘繰ってしまう。

 どんなに夜遊びしていても、子どもには必ず手料理を振る舞うと語る女性タレントも枚挙にいとまがない。YOUさんや相川七瀬さんは、べろべろに酔って帰ってきてもお弁当を作って送り出す、というエピソードをよく語っていた。料理の腕前や手際の良さで女性としての価値を測られることが、当然だった時代ゆえだろう。特に90年代は女性の料理をネタにする番組が多かった。女性タレントが競う「愛のエプロン」や、「とんねるずのみなさんのおかげでした」内の「俺のキッチンスタジアム」での女子アナ対決。「噂の東京マガジン」内の「やって!TRY」を思い出す人も多いはず。街ゆく若い女性に声をかけて定番料理を作らせ、珍妙な手つきを見てスタジオの初老男性たちが笑うという仕立てに、近年は批判も多く上がっていた。

「女性の価値=料理の腕前」の価値観のもと、料理上手アピールに躍起になる女性タレントたち。一方で、彼女たちの姿に引け目を感じる女性も少なくないはずだ。共働き家庭も増えている中、料理をするのは女性だけとは限らないが、まだまだ炊事担当は女性という意識は根強い。年を重ねても美しく、料理まで上手なキラキラしたタレントやインフルエンサーの姿に自分のダメさ加減を突きつけられるようなプレッシャー。そうしたストレスの反動なのか、最近は料理初心者の男性による料理番組が増えてきたように思うのだ。代表格が「DAIGOも台所」である。

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