「ガッテン!」が消え「クロ現」は19時半開始…NHKの大番組改編は成功したのか?1か月を検証

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「クロ現」変化は

 第一、NHKには既に若者向けの番組がふんだんにある。総合だけ見るとやや少なく感じるが、Eテレには多い。

 例えば10代が好きなことを調査する「沼にハマってきいてみた」(月曜と火曜の午後7時半)である。

 この番組は明らかに若者向けだが、視聴率は世帯も個人もコアも1%に届いていない。ごく限られた若者しか観ていない訳だが、2018年に始まり、ずっと続いている。

 若者偏重が行きすぎると、高齢視聴者による受信料不払いなどの反乱が起こるのではないか。高齢視聴者が従順とは限らない。

 放送枠が移動した「クローズアップ現代」(月~水曜午後7時半)はどうだろう。6年ぶりに午後10時台(火~木曜)から同7時台に復帰した。視聴率に変化はあったのか。

 改編前の3月第1週(2月28日~3月2日)は「3日間の世帯平均値約4.7%」「同個人平均値約2.4%」「同コア平均値約0.8%」だった。

 それが改編後の4月第4週(25~27日)はこう変わった。「3日間の世帯平均値約10.5%」「同個人平均値約5.9%」「同コア平均値約1.5%」。いずれの数値も倍増した。

 民放の午後7時台はバラエティーとアニメのみ。硬派な番組を求めていた人が多かったようだ。高視聴率を誇る「ニュース7」(毎日午後7時)からチャンネルを替えない人が多いせいもあるだろう。

 だが、良いことばかりではない。仕事などの都合で、午後7時台だと「クロ現」が観られない視聴者もいるはず。地上波での再放送の検討もすべきだろう。

 現在の「クロ現」の再放送はBS1で火曜から木曜までの午後5時半から。衛星契約を結んでいない視聴者は蚊帳の外である。時間帯も見やすいとは言い難い。

「配信の『NHKプラス』で観ればよい」と言う人もいるだろう。NHKも普及に努めている。「クロ現」に限らず観られる。

 だが、「NHKプラス」の4月現在の登録数は約250万件。受信契約件数4200万件のうち6%弱に過ぎない。まだ身近とは言えない。

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