芸能活動休止の坂口憲二が語るセカンドライフ 焙煎士として活躍「コーヒーで頑張りたい」

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「コーヒーで頑張りたい」

 その一方、以前に訪れたアメリカ西海岸のカフェ文化に刺激を受け、元来コーヒーが好きだったことも高じて、豆の焙煎から入れ方までを習得。その技術を発揮すべく、一念発起したのだという。

「病気の方は、完治するものではないので付き合っていくしかない。冬場とかは少し身体がこわばって痛みはありますけど、今は全然大丈夫です。おかげさまで、だいぶ暖かくなってきたので調子はいいですよ。自分の店に置いてあるコーヒー豆は、僕がすべて毎日焙煎していますからね。そんなの誰かにやらせればいいじゃないと言う人もいるかもしれないけど、やっぱり自分でやらなきゃ意味がない。最初は大変だったけど、5、6年続けるうちに慣れてきましたし、本当に楽しくやらせてもらっています」(同)

 その腕前は確かなようで、カフェ併設の大網店は、「坂口」の名を前面に打ち出していないのに、客がひっきりなしに訪れる。都心にコーヒー豆を販売する店まである人気ぶりなのだ。

「焙煎作業で手いっぱいですが、ゆくゆくはスタッフの数を増やして、3号店、4号店も作りたいですね」

 と話す坂口の姿は、もはや芸能界に未練はないようにも見えてしまう。大ヒットした主演ドラマ「医龍-Team Medical Dragon-」などで世間を魅了した役者姿はもう見られないのか。

「もちろん家では欠かさずテレビを観るし、役者さんやスタッフなどとも連絡を取り合っていますから、芸能界との関係が完全に切れたわけではないですよ。ただ基本はコーヒーで頑張りたい。そう思っています」

 わざわざ遠路はるばる、気を付けて帰ってね。最後までそう気遣う坂口の笑顔は、すっかりコーヒー店の主(あるじ)そのものだった。

週刊新潮 2022年5月5・12日号掲載

ワイド特集「黄金郷へ」より

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