『ゲームの達人』が揃った「地面師」たちの“余罪” 55億円「積水ハウス事件」主犯格の配役は

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ダミーの口座

 17年3月、益子社長に化けた老人が、日本橋の弁護士事務所を訪れた。「土地売却の代理人になってほしい」との依頼に、弁護士が土地を売りたい理由を訊ねると、ニセ益子社長はこう説明したという。

「恥ずかしながら若い娘にカネをつぎ込み、その穴埋めを迫られている。土地売却が女房にバレないように、買い手が会社に来ることがないかたちで取引を進めたい」

 被害に遭ったのは「北極星コーポレーション」なる不動産会社だ。

「土地代金は4億円。まずは手付金として8000万円が支払われることになった。振込先は、三井住友銀行浜松町支店の東京音楽アカデミー名義の口座でした」(先の不動産業者)

 振込先を用意したのはカミンスカスだった。愛人のフィリピンパブ嬢の名を冠した「万里亜(まりあ)」という会社を東京音楽アカデミーに商号変更し、ダミーの銀行口座を開設したのである。積水ハウスを騙す前に一仕事終えていたわけだ。

「週刊新潮」2020年3月12日号「MONEY」欄の有料版では、富ケ谷の土地取引を巡る顛末と地面師たちの動きを詳報する。

週刊新潮 2020年3月12日号掲載

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