女性寿司職人のパイオニア、「なでしこ寿司」店長が語る「むしろ女性がいいんです!」

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女性職人を育成して、海外進出も

 世界中が新型コロナウイルスの猛威にさらされて以降、なでしこ寿司の営業も厳しさを増している。客の多くを占めていた外国人観光客の来店もほとんどなくなり、休業を余儀なくされる期間もあった。ただ、今春から金・土・日曜と週3日は営業を再開させ、休業日には出張寿司の営業に精を出し、「お客さんからの紹介で、政界関係者からのオファーもありますね」(千津井さん)。

 一昨年からは、ネタの調味料に体に良い食材を取り入れた「薬膳寿司」を開発。店で提供しているほか、ネット販売に向けた準備も進めている。さらに、北海道の養殖業者の協力を得て、薬膳食材を餌に使った「薬膳サーモン」の生産にも挑戦。今秋には出荷できる見通しで、こちらは北海道や東京都内の百貨店、レストランなどからも「定期的に仕入れたい」と要請があるのだとか。

 女性寿司職人のパイオニアとして活躍する千津井さん。今後、女性職人を育て上げ、海外進出も視野に入れているという。ジェンダーによる男女差別解消が世界の課題になる中、彼女の寿司職人としての活躍は、ますます注目されるに違いない。

川本大吾(かわもと・だいご)
時事通信社水産部長。1967年、東京生まれ。専修大学を卒業後、91年に時事通信社に入社。長年にわたって、水産部で旧築地市場、豊洲市場の取引を取材し続けている。著書に『ルポ ザ・築地』(時事通信社)。

デイリー新潮編集部

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