フジ「ポップUP!」開始から一カ月 コメンテーター「3時のヒロイン福田」のマルチな才能

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話題を呼んだ「容姿ネタ」捨て

 テレビの世界では、1つの突出したキャラクターを持っている芸人の方が目立ちやすい傾向にあるが、福田はマルチな才能を持っていて、番組や企画によって器用にその顔を使い分けている。

 関西大学卒業で頭の回転が速く、インテリキャラに見られることもあるが、実家が雀荘を経営しているという彼女は「私は雀荘の娘ですから」などと言って、親しみやすさを出している。

 2021年にはツイッターで「この数週間で容姿ネタに関してじっくり考える機会が何度かあって、私達は容姿に言及するネタを捨てることにしました!」と書いたことも話題になった。その頃、ちょうど世間では「容姿イジりは笑えない」といった意見が強くなっていて、芸人が容姿に関するネタをやることの是非が話題になっていた。そんな中で、福田がはっきりと容姿ネタとの決別を宣言したことで、本人の想像を超えた大反響を起こした。

 福田という芸人の強みは、何でもこなせる器用さと賢さである。頭脳派の芸人でありながら、イジられる隙も持ち合わせているので、嫌味が全くない。テレビ朝日の「トゲアリトゲナシトゲトゲ」では、Aマッソの加納とラランドのサーヤに挟まれて、イジられ役として輝いている。

 マルチな才能を持つ福田は、アイドルから転身したという特殊な経歴を生かして、今後も活躍の幅を広げて、新しい時代の女性芸人の象徴のような存在になっていくだろう。

ラリー遠田
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『逆襲する山里亮太』(双葉社)『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)など著書多数。

デイリー新潮編集部

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