角野卓造が「文学座」代表に就任 ハリセンボン・近藤春菜のネタも影響?

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 劇団「文学座」に新たな「顔」が誕生した。このほど代表に就任したのは、俳優の角野(かどの)卓造(73)。文学座入りからちょうど半世紀というタイミングで、コロナ禍に苦しむ老舗の舵取りを担うことになる。

 演劇担当記者が解説する。

「前任の江守徹(78)は平成28年から6年にわたって代表を務めてきましたが、体力的な問題もあって退任。それに伴い、今年1月に座員の投票で新代表を決める選挙が行われていました」

 文学座には、いまだ角野の先輩に当たるベテラン俳優が何人も健在。そのほか、新国立劇場で芸術監督を務めた鵜山仁(69)、日本劇団協議会会長の西川信廣(72)といった、日本を代表する演出家の名前も有力候補として挙がった。

「形こそ選挙ですが、立候補制ではなく座員が座員の中から自由に選んで投票する形式。結果、世間的に抜群の知名度に加えて、面倒見の良い穏やかな人柄などが信任を集め、角野が最も多くの票を獲得した」

近藤春菜のネタの影響も

 文学座は昭和12年、作家の久保田万太郎や岸田國士、岩田豊雄(獅子文六)らが発起人となって結成された。昭和初期の看板女優として活躍し、平成9年に死去するまで代表を務めた杉村春子をはじめ、北村和夫や太地喜和子ら名優が輩出したことでも知られる。

「1970年代に頭角を現した中村雅俊(71)や田中裕子(67)のほか、テレビや映画で活躍中の内野聖陽(53)、長谷川博己(45)ら人気俳優も、かつては文学座で演技を磨きました」

 角野の顔と名前が広くお茶の間に浸透するきっかけとなったのが、平成2年から放送された人気ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」だ。角野はおよそ30年にわたって、中華料理店〈幸楽〉の店主で、泉ピン子(74)の夫役を演じたのである。

「さらに、お笑いコンビ・ハリセンボンの近藤春菜(39)の自虐ネタの影響もありました。自身の顔立ちが角野と酷似していることを逆手に取った〈角野卓造じゃねぇよ!〉とキレるギャグが、世代を超えてウケましたからね。当時は近藤の鉄板ネタの一つでしたが、角野は周囲に“カクノとかスミノと呼ばれることが多かったのに、彼女のおかげで知名度が上がった”と嬉しそうに語ったことも」

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