鈴木誠也の祖父が明かす活躍の原点 特注「鉄パイプ」で…「平成の星親子」の猛特訓

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舞台も同じく荒川区

「その特注バットで誠也は毎日、何時間も何時間も、宗人がトスを上げるボールを打ち込んでいたんだ」

 使ったのはゴルフボール。類まれなるミート力の源か。

「二人の練習を知る人たちから、宗人は『巨人の星』の主人公、星飛雄馬を少年時代に鍛えた父の一徹にたとえられたもんだ」

 実家の喫茶店は東京の下町、荒川区町屋にあった。奇しくもそこは漫画「巨人の星」の舞台でもある。

「当時の特訓の様子は、テレビ番組の『アド街ック天国』が町屋の特集をやったとき、『平成の星親子』として取り上げられたよ。誠也は小学5年生だった」

「誠也は酒も飲まないし、奥さんもいい人」

 かくて大リーグボール養成ギプスならぬ大リーガー養成鉄パイプのかいあって、鈴木は野球推薦で二松学舎大附属高校へ。2013年にドラフト2位で広島に入ると、16年から6年連続で打率3割。「5年で8500万ドル(約100億円)」という日本人野手史上最高額の契約でメジャーリーガーになったのは周知の通り。

「誠也は酒も飲まない。奥さんの愛理さん(元新体操選手の畠山愛理)もいい人。もう本当に安心だよ」

 そう喜ぶ義一さんだが、ご本人の野球経験は?

「私はボウリング。1966年に全日本ボウリング協会公認のゲームで第1号のパーフェクトを達成したよ。東京代表として全日本選手権に出たこともある。野生の血は孫にも受け継がれているのかな。まぁ、オレのことはもういいだろ」

 全米を沸かせる鈴木、彼を生み出した父。義一さんの血筋なればこそ、だろう。

週刊新潮 2022年4月28日号掲載

ワイド特集「『オレ流』『ワタシ流』」より

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