ウクライナ侵攻で慌ててドローン研究に着手の防衛省 尖閣諸島の偵察さえできない残念な内情

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宝の持ち腐れ

 更に、航空自衛隊がアメリカから導入する偵察型ドローンも、現状では充分に活用できない、と囁かれているという。

「グローバルホークという、高性能な偵察ドローンを3機使用します。2022年3月12日、カルフォルニアから青森県の三沢基地に18時間かけ、最初のグローバルホークが飛んで来ました。しかし、グローバルホークを本格的に運用するには、現状では無理があるというのです」(同・軍事ジャーナリスト)

 グローバルホークから送られて来る偵察データが膨大なため、現状の自衛隊の通信ネットワークでは負荷がかかり、処理しきれないというのだ。

「自衛隊がグローバルホークを使うと、本来の性能の半分ぐらいしか発揮できないのでは、と言われています」(同・軍事ジャーナリスト)

中国製ドローンの脅威

 日本ではウクライナ侵攻に伴い、ロシアの脅威を再認識したという声が多い。だが、中国の脅威を忘れるわけにはいかない。そして、対中国という点に関しては、ドローンは頼りになる“兵器”だという。

「今の日本では、沖縄の自衛隊基地から尖閣諸島に向かって飛び、帰ってこられるドローンはありません。一方、中国のドローンは攻撃型も偵察型も、たびたび尖閣に飛来しています。日本も尖閣のパトロールは、ドローンを使うべきです」(同・軍事ジャーナリスト)

 尖閣まで飛べるドローンが開発、運用されれば、機体から送られてくる動画やデータを海上保安庁と海上自衛隊が共有すれば、中国の領海侵犯に有効なのは間違いない。

「率直に言って、自衛隊は攻撃型も偵察型も、開発に力を入れるべきです。時間的余裕の全くない、まさに吃緊の課題です」(同・軍事ジャーナリスト)

デイリー新潮編集部

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