「村上ファンド」vs.「東芝機械」死闘の行方 外為法の「みなし規定」をめぐる水面下の攻防

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外為法に引っ掛かる可能性

「東芝機械(現・芝浦機械、以下同)」が村上ファンドによる敵対的TOBを退けたのは2020年3月のこと。「週刊新潮」2020年3月19日号「MONEY」欄に続けて、20年当時、東芝機械トップが明かしていた交渉の舞台裏を紹介する。

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 シンガポール在住の物言う株主、村上世彰氏からTOBを仕掛けられた東芝機械。その反撃は、「外為法違反」を問うことだった。「ココム規制違反」で摘発された過去を持つ東芝機械は外為法に触れる機械を製造しているため、「外国投資家」が10%超の株式を取得するときには、日銀経由で財務省への事前届け出と承認が必要なのだ。

 東芝機械の坂元繁友社長が語る。

「村上ファンド系の“オフィスサポート”らが5.32%の株式取得を明らかにしたのは18年12月のこと。それからしばらくして、村上さんの部下の福島啓修さんと面談しました。そのとき、福島さんに“これ以上買い増ししたら、外為法に引っ掛かる可能性が生じる”と忠告した。すると、先刻承知といった表情で“大丈夫です”と言い切ったのです」

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