次の月9は「杏」「坂口健太郎」のダブル主演 昔ならあり得ないミステリーが三作続く事情

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

Advertisement

注目の原作者

 月9の原作を続けて担うことで小説フリークからドラマファンにまで広く注目されそうな新川さん。2013年に「日曜劇場 半沢直樹」に原作を提供し、その後も「日曜劇場」で6作品がドラマ化されたことから、国民的人気を得た作家・池井戸潤氏(58)と同じ道を辿るかも知れない。

 新川さんの経歴は華麗だ。茨城県立土浦一高から東大法学部に進み、同法科大学院を修了。24歳で司法試験にパスした。司法修習生時代、今度は麻雀協会のプロテストにも合格。その後1年間、プロ雀士として活躍した。強いらしい。

 2017年1月には弁護士登録し、法律事務所に入ったものの、小説の書き方などを学ぶための時間がつくりやすい一般企業の法務部に転職。この人生設計が功を奏し、2021年1月、『元彼の遺言状』でデビューした。

 この処女作が「このミステリーがすごい!」大賞の大賞を受賞。賞金1200万円を獲得した。ちなみに新川さんが最初に付けたタイトルは「三つ前の彼」だった。原作を読んだ人、ドラマを観ている人はピンとくるはずだ。

 ドラマ版は綾瀬はるか(37)が主演。大泉洋(49)が準主演で放送中なのは知られている通り。綾瀬が気の強い敏腕弁護士・剣持麗子を演じ、気の優しいミステリー作家志望の青年・篠田敬太郎に大泉が扮している。

 世帯視聴率は4月11日放送の第1話が12.1%(個人7.2%)。同18日放送の第2話が10.5%(個人5.5%)と上々。ただし、1話と2話は材料を詰め込みすぎた感があり、賛否両論ある。月9は今後、新川作品の料理の仕方も問われそう。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。