「白鳥の湖」の水面下の醜い争い 名門「小牧バレエ団」乗っ取り劇 創設者の身内の対立泥沼化

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「小牧」の名を相続

 故・小牧正英氏(本名・菊池栄一)は、1946年に日本初となる「白鳥の湖」の全幕公演を成功させるなど、戦後のバレエ史に多大な功績を残した。その伝説的人物が発足させた「小牧バレエ団」をめぐり、身内同士の諍いが続いている。

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 小牧氏の長女である菊池マリーナ氏によれば、血の繋がらない「いとこ」の菊池宗(そう)氏と対立しているという。宗氏は、小牧氏の弟である菊池唯夫氏と養子縁組した人物だ。

「2006年、父は94歳で生涯を閉じました。その遺書には“小牧バレエ団”の商標権や歴史的資料、さらに、いとこが率いるバレエ団に“小牧”の名称を使用させる権利も私に相続させると記されていた。ところが、いとこはあたかも父の後継者のように振る舞い、父の名を勝手に利用しているのです」

 さかのぼること35年前、一時、小牧バレエ団に所属していた唯夫氏が別のバレエ団を創設。一線から退いていた小牧氏の承諾を得て、「東京小牧バレエ団」を名乗っていた。96年に唯夫氏が他界すると、いつの間にか唯夫氏の養子になっていた宗氏が団長に就任する。

「父は宗さんに、代替わりしても名称使用を続けるなら、私を東京小牧バレエ団に関与させることを要求した。しかし、宗さんはずっと、それをウヤムヤにしていました」

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