米国進出を本気で目指すゆりやんレトリィバァ 彼女の何よりの“強み”といえば

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 これまでのお笑いの歴史の中では、日本で芸人として有名になってから、海外進出して成功を収めた人というのは存在していなかった。日本には独自のお笑い文化があり、日本と海外の間には言語の壁もあるため、日本で実績のある日本人の芸人が、そのまま海外に出て活動をするのは難しいと考えられていた。

 しかし、近年になって、海外に拠点を移す芸人がだんだん増えてきた。ピースの綾部祐二は2017年に渡米して、ニューヨークで芸能活動を始めた。また、渡辺直美は2021年4月からアメリカのエージェント会社2社と契約して、活動の拠点をアメリカに移した。渡辺は芸人としての活動にとどまらず、若者に人気のファッションアイコンとして注目を集めている。彼女のセンスを生かしたそのような仕事は、言葉の壁をやすやすと越えて海外でも通用するだろう。

 そんな中で、次に海外進出する芸人として注目されているのがゆりやんレトリィバァである。彼女は、吉本興業のお笑い養成所「NSC大阪」を首席で卒業したエリート芸人である。デビュー当初から頭角を現していて、2015年には芸歴わずか3年目でピン芸日本一を決める「R-1グランプリ」(当時の表記は「R-1ぐらんぷり」)の決勝に進んだ。その後も数多くのバラエティ番組に出演して、2017年には「女芸人No.1決定戦 THE W」で優勝。2021年には「R-1」でも悲願の優勝を果たした。

 そんな彼女の強みは、ネタ作りの能力に加えて、誰よりも早く一歩前に出てボケる「瞬発力」と「度胸」があることだ。芸人は、ボケが得意な人とツッコミが得意な人に大きく分かれるが、活躍する芸人のほとんどはツッコミを得意としている。ほかの人をイジったり、会話の中で笑いを生み出したりするツッコミの能力の方が、大勢の人とかかわるバラエティ番組などでは役立つからだ。

 でも、ゆりやんは芸人の中でも珍しい「ボケ特化型」である。他人のことをイジったりするのは苦手だが、自分から前に出て好き勝手にボケまくる。本来は引っ込み思案な性格なのだが、舞台の上ではスイッチを入れて、積極的にボケを放っていく。

 たとえそれ自体が笑いにつながらないことがあっても、空回りした彼女を先輩芸人が巧みにフォローして笑いに変えてくれる。ボケを連発して場をかき回してくれるゆりやんは、バラエティ番組でも貴重な存在だ。

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