朝の情報番組に異変 「スッキリ」に並んだ「めざまし8」と「ラヴィット!」に関する不可解な報道

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 このところ民放の朝の情報番組界隈で話題になっていることが2つある。1つはフジテレビ「めざまし8」(平日午前8時)が、日本テレビ「スッキリ(1部)」(同)と同率で週間の平均世帯視聴率で2位になったこと。昨年4月の放送開始以来、初めてだ。もう1つは視聴率が4番組中4位で上昇の動きも見られないTBS「ラヴィット!」(同)について、なぜか視聴率好調との報道が相次いだこと。他局のスタッフは疑心暗鬼に陥っている。

 情報番組のスタッフが顔をしかめる。

「『ラヴィット!』が面白いといった報道なら分かる。けれど『視聴率好調』となると話は別。事実と異なる」(他局の情報番組のスタッフ)

 このスタッフに限らない。情報番組界隈では「ラヴィット!」の視聴率が良いとする報道が話題になっている。
 テレビマンたちにとって視聴率は命綱。録画で観られることは皆無に等しい情報番組は特にそう。視聴率に関する報道にはデリケートである。

 論より証拠。3月第2週(7日~11日)の週間平均視聴率を見てみたい。非公表のコア視聴率(13歳~49歳)は順位にとどめる。

■日本テレビ「スッキリ(1部)」
世帯5.4% 同率2位/個人2.9% 2位/コア1位
■テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」
世帯10.7% 1位/個人5.8% 1位/コア3位
■TBS「ラヴィット!」
世帯2.9% 4位/個人1.5% 4位/コア4位
■フジテレビ「めざまし8」
世帯5.4% 同率2位/個人2.8% 3位/コア2位
(ビデオリサーチ調べ、関東地区)

 「ラヴィット!」の視聴率は「モーニングショー」の3分の1以下。「スッキリ」「めざまし8」のほぼ半分。コアも4位である。

 前の週(2月28日~3月4日)の視聴率とも比較してみた。「ラヴィット!」は世帯、個人ともに前の週のほうが僅かに上。伸びるどころか漸減している。

 半年前の昨年10月1日は世帯3.1%、個人1.6%だった。同11月1日は世帯2.9%、個人1.5%。同12月1日は世帯2.9%、個人1.4%である。視聴率は半年前から現在まで、ほとんど変わっていない。

 ちなみに昨年3月末に終了した前身番組「グッとラック!」の昨年度1年間の平均視聴率は世帯が3.3%、個人が1.6%だった。やはりほとんど同じ。「ラヴィット!」のほうが僅かながら下がったくらいである。

 これらのエビデンスに基づくと、視聴率が良いとは言えないし、伸びてもいない。それなのに「視聴率好調」の報道があったら、情報番組界隈が色めき立ち、疑心暗鬼に陥るのも無理はない。

 まさか、そんなことはあり得ないだろうが、MCの麒麟・川島明(43)が、お笑い界のガリバーである吉本興業の所属であることから、その影響を指摘する声まで出ている。

「視聴率好調という報道があると、『自分も観てみようか』という視聴者も出てきますから」(違う情報番組のスタッフ)

「モーニングショー」のアキレス腱

 生活情報番組に特化した「ラヴィット!」がつまらないとは決して思わない。むしろ他局と違って時事情報をやらないのは視聴者にとって良いことではないか。選択肢は多いほうがいい。

 川島と田村真子アナウンサー(26)の息も合っていると思う。けれど「面白い」と「視聴率好調」はあくまで別。

 それ以外の番組に目を移すと、硬派の「モーニングショー」は相変わらず世帯と個人が断トツ。2つの数字には相関性があるから、当然ではある。テレビマンの間では「世帯の数字の約4割が個人の数字」と言われている。世帯が10%なら個人は4%前後になるという訳だ。世帯の数字が良く、個人は悪いという結果にはならない。

 一方、コア視聴率は違う。49歳以下が観ていないと、数字がガクンと落ちる。このコアが「モーニングショー」にとってはアキレス腱で、3位が定着している。

 コアが上がらないと、収益率の高いCMが入りにくい。コアの視聴者層は購買力が高いとされており、スポンサーが歓迎するからだ。世帯と個人が高くてもコアが低いと番組の売上高は伸びない。

 どうして49歳以下の人は「モーニングショー」を敬遠気味なのだろう。昨年3月末で比較的年齢の高いコメンテーターの青木理氏(56)らが降板し、若手国際的ヴァイオリニストの廣津留すみれ(28)らに交代したが、それでもコアは伸びていない。

 一因はレギュラーコメンテーターの玉川徹氏(59)にあるのかも知れない。玉川氏には熱烈なファンがいる一方、アンチもいるが、それは比較的若い人に多いように思える。

 玉川氏は4日放送でロシアのウクライナ侵攻を特集した際、「どこかでウクライナが引く以外にない」と、早期に降伏すべきとの持論を展開した。ウクライナの犠牲者を増やさないためだ。

 これに対し、ゲストコメンテーターとして出演した東京大学先端科学技術研究センター講師の小泉悠氏(39)は「ウクライナは何の非もないのに侵攻された。早く降伏すべきだというのは道義的に問題のある議論」と発言した。

 コロナ問題も含め、玉川氏の発言は独自色が濃い。それを好むか好まないかが、この番組を選ぶかどうかの大きなポイントになっているだろう。コア層が観るか否かのカギを握るのも玉川氏に違いない。

 やはりゲストコメンテーターとして登場している国際軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏(58)の分析力には以前から定評がある。その解説は聞き応えがある。

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