朝の情報番組に異変 「スッキリ」に並んだ「めざまし8」と「ラヴィット!」に関する不可解な報道

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「ZIP」の影響

「スッキリ」はコアでずっと1位を守るが、世帯で「めざまし8」に並ばれてしまい、同率2位に。個人は単独2位であるものの、やはり「めざまし8」に詰め寄られている。

 前の週と比較しての世帯、個人の下げ幅も4番組の中で一番大きい。この番組はエンタメやグルメなど軟らかい情報に強いが、世間の関心がウクライナ情勢など硬派ニュースに向いているせいだろう。もちろん、この番組もウクライナ情勢を報じているものの、よそよりコンパクトだ。

 前番組「ZIP」(平日5時50分)の影響も受けている。「ZIP」は終了間際の午前7時50分ごろから日めくり式のミニドラマ「サヨウナラのその前に」を放送し始めた。1日からだ。しかし、まだ定着せず、視聴率が頭打ち。それに続く「スッキリ」の出だしの視聴率も以前よりやや落ちた。

「めざまし8」は世帯とコアで2位。世帯の2位は「スッキリ」と同率とはいえ、昨年4月の放送開始以来、初めて。前の週と比較しての世帯、個人の上げ幅も一番大きい。

 その背景にあるのもウクライナ情勢に違いない。MCの谷原章介(49)はソフトだが、この番組も硬派色が濃い。プーチン大統領の元側近のインタビューなど独自取材も目立つ。

 外務省職員としてウクライナに隣接するルーマニア大使館などに勤務した後、フジに中途入社した風間晋氏(63)氏はレギュラーコメンテータ―の1人。その解説はやはり説得力がある。大向こう受けを狙わず、淡々と現実論を語る。

 同じ朝の情報番組とはいえ、カラーの違う4番組。競り合いが続く。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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