ビッグボス・新庄監督にとって「清宮の5年目のブレイク」が最大の隠れテーマである理由

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清宮を何とかモノにしてほしい

 新庄監督は一体なぜ、こと清宮にだけには“前のめりモード”になっているのか。

 新庄監督と現役時代にチームメイトとして苦楽を共にし、球団にもホットラインを持つ日本ハムOBは、考察も交えながら次のように裏事情を打ち明けている。

「どうやら新庄監督は日本ハムから監督のオファーを受けた際、フロントの吉村浩前GMから重要案件の1つとして『清宮を何とかモノにしてほしい』と念押しされているらしい。スタメンを“ガラガラポンする”と公言するなどエンタメ的なところばかりクローズアップされている新庄監督だが、実を言えばそこにメディアやファンの注目をあえて向けさせている節がある」

 そういった“エンタメ”的な要素の裏側では、選手個々の能力をオープン戦中に数値化して優劣を判断しようと新庄監督は毎晩のように腐心し続けているという。それが監督の仕事でしょと言われればそれまでだが、「その流れの中でフロントの意向を汲み、清宮を何とかしようと試行錯誤を重ねている」(同)というわけだ。

 吉村前GMは現在、チーム統括本部長を務める“陰のキーパーソン”。新庄監督は昨年11月の就任会見でも吉村前GMの名前を挙げ、わざわざ感謝の意を示すなど吉村浩氏とは昵懇(じっこん)の関係で知られる。

隠された長期計画

「その吉村さんから頼まれれば、さすがの新庄監督もNOとは言えない」と前出のOB。こうした背景に鑑みれば、稲葉GMや中日・立浪監督に同じ左打者として清宮の打撃指導をお願いしたり、就任直後に行われた昨年の秋季キャンプでも直々に減量指令を出したりしたこともつじつまが合う。

「新庄監督としては口が裂けても公言できないだろうが、『清宮の5年目のブレイク』はある意味において彼の最大の“隠れテーマ”といえる。とにかく今の日本ハムには大砲がいない。今季の清宮がポスト中田翔として、チームの大砲としての片鱗だけでも見せてくれれば、2023年3月に開業予定の新球場『エスコンフィールドHOKKAIDO』を本拠地とする日本ハムの北海道でのリスタート1年目に花を添えられる」(前出のOB)

 売り出し中の万波と揃って若き長距離砲コンビを結成できたりするなら、これ以上言うことはないのかもしれない。

「日本ハムとしては新庄監督の1年目シーズンで清宮の覚醒も含め選手育成に重きを置いたチームの下地作りを目指し、2023年シーズンからが実質の勝負とみている。新庄の起用には、単なる人気取りの客寄せパンダだけではなく、そんな長期計画が隠れている」(同)

“新庄マジック”によって、かつて史上最多の高校通算111本塁打記録を刻んだ潜在能力をプロ5年目の今季こそ発揮できるか。

デイリー新潮編集部

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