ファミリーマートのレジ上に「謎のディスプレイ」出現 狙いは

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 もしかすると、お近くの店舗にもすでに導入されているかもしれない。ファミリーマートは複数の店舗で、レジ上スペースに「ディスプレイ」配置を進めている。見慣れたコンビニの風景を変えるこの施策、狙いと効果のほどはどうか。

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 東京・丸の内にあるファミリーマート東京国際フォーラム店。施設内の店舗に多い別ブランド「ファミマ!!」として出店するこちらを覗くと、レジカウンターの裏に3枚のディスプレイが並んでいる。映し出される映像は、俳優の吉田鋼太郎が出演するファミマの「肉弁当」のPRのほか、ゲーム「ポケットモンスター」の新作のCMなど、ファミリーマートとは直接関係のない広告も。さらには共同通信社が提供する天気予報も表示されていた。通常のファミリーマートでは、秀島史香のDJでおなじみの店内放送「ミックスファムwith Your Voice」が流れるが、こちらではディスプレイに表示される映像に合わせた声や音楽が店内に流れる。店に入れば、視線はディスプレイに引き寄せられてしまう。

 レジ上ディスプレイは、ファミリーマートの汐留メディアタワー店でも確認できた。これは一体何なのか――。ファミリーマートの広報によると、これは「デジタルサイネージ」というものだそうだ。

「弊社は全国約16600の店舗網を持ち、月間延べ4.5億人以上のお客さまとの接点を保有しております。店頭におけるメディアとしての価値に着目し、2020年9月より『デジタルサイネージ』を設置し実証実験を開始いたしました。結果、効果が確認できたことから、2021年9月に株式会社ゲートワンを設立し、事業展開を開始いたしました」

 現在までに1000店舗に設置され、春先までに3000店舗への導入を計画中だという。

「テレビやインターネットに次ぐ第3のメディアを創っていく狙いがあります。お客さまに楽しんでいただける様々なコンテンツに加え、商品やキャンペーン情報も配信しており、お客様からは驚きの反応や実際に商品をお買い求め頂いております。ファミリーマート店頭取扱いに関わらず、様々な広告主様からは広告出稿の申込を頂いており、広告主様の商品・サービスの販売拡大・認知獲得に繋げてまいります。商品プロモーションを通じた売上効果は、売上数量において10~50%程度伸長する効果がありました」

 レジ後ろの壁面ではなく、ファミチキなどを売るカウンターフードの真上にディスプレイを置いている店舗も確認できた。現状、コンビニのそのスペースには、タバコを並べているか、箱に入った菓子折りが置かれている場合が多い。大型ディスプレイがあれば、否が応でも目に入ってしまう。

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