「藤井聡太」発言で注目の森林限界 「富士山登山鉄道」は実現するか

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 王将位を獲得した藤井聡太五冠が、その後の記者会見で発した「森林限界」という言葉が注目を集めている。

 藤井五冠は、記者から「富士山でたとえれば何合目まで登っているイメージか?」と問われたのに対して、「どこが頂上なのかまったく見えない。いまだ頂上が見えない意味では森林限界の手前。まだまだ上の方には行けていないと思います」と回答。この発言が注目を集め、特に「森林限界」がテレビ・新聞・ネットを席巻。ツイッターでもトレンド入りした。

 藤井五冠が口にした森林限界とは、木々が生えることができなくなる限界線のことで、富士山なら五合目付近にあたる。

 森林限界という言葉からは、藤井五冠の謙虚な姿勢と将棋に対する飽くなき挑戦心を感じるが、奇しくも富士山五合目付近へと挑む鉄道構想が浮上している。それが、山梨県が検討している富士山登山鉄道だ。

「現在でも、富士山五合目までは有料道路の富士スバルラインを使って自動車でアクセスできます。山梨県は五合目までを観光客、それより上に行く人たちを登山客と分けてカウントしていますが、いずれも世界遺産登録後に増加しています。そのため、バス・自動車の排気ガスによる環境悪化が懸念されています。富士山登山鉄道は富士山の環境を守るために構想されました」と話すのは山梨県知事政策局政策調査グループの担当者だ。

 また、これまで富士山への入山者の把握は難しく、そのために遭難者の救助にも困難を要した。富士山の登山道は複数あり、すべての入山者が鉄道利用へとシフトするわけではないが、それでも鉄道利用へとシフトさせることによって、以前より把握しやすくなる。遭難者の救助にも役立つなど、鉄道建設には多くのメリットが考えられる。

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