サラ金で借りた250万円が5秒で2700万円に…FXで財産を失った4人の証言「合法だから大丈夫、が一番怖いんです」

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サラ金からもヤミ金からも借りられない

ヒラヌマさん:2700万円になった瞬間にクリックを押せる自分がいたら、ギャンブル依存症にならなかったのかなと思うこともありましたが、治療を始める時期が少しだけ後ろにずれるだけだったでしょうね。

 僕はFXで自己破産もしたので、いよいよサラ金から借金もできないようになりました。

 なので、また一からパチンコでコツコツ金を増やそうと、ヤミ金に1万円借りたいとお願いしてみたんです。しかし、借りられたお金は4000円。いよいよ自分はヤミ金からでさえ1万円も借りられないほどになったのかとショックを受けました。その4000円で最寄り駅の駅前にあった日高屋でビール飲んで、簡単な食事をしてから、意を決して自助グループの仲間に連絡をとり、山梨県の自助グループの施設に入居することになったんです。忘れもしない2020年8月です。

 その時、元妻に「俺はもうダメだから、一回治療のため施設に入る。別れてほしい」と切り出しました。弁護士を介して妻名義の借金はすべて僕の名義に変えています。僕はギャンブルだけでなく、借金にも依存していたんです。元妻は事情を汲み取ってくれました。

孤独から解放される

――薬物などにも言えることですが、ギャンブル依存症治療も再発の可能性を織り込みながら、治療を少しずつ進めていくものというのが、携わっている人たちのコンセンサスだと思います。特に治療の最初期は辛いこともあったのではないでしょうか。

タナカさん:まさにその通りで、最初は心の一部にぽっかり穴が空いたようでした。僕はそこをギャンブルで埋めていたんでしょう。ギャンブル依存症と診断されたときに、治療として勧められたのは自助グループでした。お互いに語り、悩みを打ち明けることで、ギャンブラーが陥る孤独から解放されるわけです。このつながりのなかで、何日やめられた、何ヵ月やめられたと節目で祝ってもらえる。

 でも、どうしても埋めがたい何かはあって、刺激が少ないことに耐えられない自分もいたんです。そこで僕はFXに手を出した。

 仕事や家庭で心の穴を満たせている自分もいたのですが、どうしても仕事でうまくいかないときに手を付けてしまう。そこからアルコール依存症で有名な回復のための12ステッププログラムを始めました。

 仲間内では底つき(依存症を認めて助けを受け入れざるを得ないようなギリギリの状況に陥ること)って言うんですけど、その時になんて自分は惨めなのだろうと気づきました。仲間を裏切り、もうやらないと誓った自分を裏切った自分が嫌になる。底つきとまたやってしまうスリップを繰り返して、本当の底を見た時が回復の道ができた時なんです。

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