始球式でまさかの死球負傷…オープン戦で起きたとんでもないアクシデント

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「2003年の経験があったからこそ」

 1日でも早い復帰を目指し、米国で手術を受ける道を選んだ小久保だったが、球団から約2000万円の治療費の支払いは一切なかった。さらに、チームが日本一になった直後、フロント関係者が「今季は小久保がいなかったから優勝した」と陰口を叩いていることを知ると、「ホークス以外なら、どこでもいい」とトレードを志願。松井秀喜のメジャー移籍後、長距離打者を欲しがっていた巨人への無償トレードが決まった。

 巨人で3年間プレーしたあと、王貞治監督を胴上げしたい一心で、球団名がソフトバンクに変わり、フロント陣が一新された古巣に戻った小久保は「私は今から振り返ると、この2003年の経験があったからこそ、41歳まで現役でいられたのだと思います。この年に自分の身体に対する意識が高くなったからです」(自著『一瞬に生きる』小学館)と回想している。

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍「プロ野球B級ニュース事件簿2021」上・下巻(野球文明叢書)

デイリー新潮編集部

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