「水際対策緩和」で海外旅行も“事実上の緩和” 来月からでも行けそうな国はどこか?

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 2月17日、岸田文雄首相は記者会見を開き、3月1日から新型コロナウイルスの水際対策を大幅に緩和すると発表した。今回の緩和は、現在、新規入国が停止されている外国人のビジネマンや留学生、技能実習生に対する措置として報じられているが、入国制限が緩和されるということは日本人が帰国しやすくなること。つまり、海外旅行もしやすくなるのだ。旅行代理店関係者は「海外旅行解禁へ向けた大きな一歩」と歓迎ムードだが、実際、すぐにでも行けそうな国はどのくらいあるのか。

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難しかった海外旅行

 コロナ禍が始まって以降、旅行好きにはつらい時間が続いてきた。厳密に言うと、外国との間で飛行機は飛んでいたので、渡航自体は可能だった。ただし、「行き」と「帰り」の「水際対策」が立ちはだかり、旅行が成立しなかったのである。

「2年前、コロナ禍が始まった頃は、ほとんどの国が厳しい入国制限を敷いていました。辿り着けたとしても、現地の指定ホテルで10日間以上、缶詰めにされる国がほとんど。そこまでして観光目的で渡ろうと考える人は皆無でした」(旅行代理店関係者)

 ただし、昨年初頭くらいから「行き」に関しては徐々に緩和されてきた。

「例えばアメリカ本土やハワイは、ワクチン接種証明書と出国前24時間(当初は72時間)以内に受けたPCR検査の陰性証明書を提示すれば、隔離なしで入国が可能です」(同前)

 ただし、「帰り」の問題が大きく立ちふさがっていた。この2年で紆余曲折はあったが、日本の水際対策は厳格で、邦人が帰国した場合でも自宅やホテルなどで自主隔離(当初は14日間だったが、現在は7日間に短縮)が求められてきた。さらに、行った先の国や地域によっては、到着後そのまま3日もしくは6日間、検疫所が確保しているホテルで強制隔離させられた。オミクロン株が流行してからは感染拡大地域が増え、多くがホテルでの3日間の強制隔離となっている。

ワクチン3回目接種者は“隔離なし”

 帰国時には、ルールを守って自主隔離するとの誓約文の提出が求められ、帰宅後も入国者健康確認センターからビデオ通話などによって毎日「監視」を受ける。こんな制約があれば、まっとうな社会生活を送っている人は海外旅行に出かけようとは思わないだろう。だが、今回の水際対策緩和で帰国後の面倒な制約が、とうとう条件付きで撤廃されるのである。

 航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏は、「国内でオミクロン株が蔓延しているなか、政府はあえて海外の観光旅行については言及していませんが、解禁に向けた第一歩と言っても差し支えないでしょう」と語る。

「実は自主隔離生活は、1日や2日ならビデオ通話などを無視しても何のお咎めがない“ザル”状態だったので、違反覚悟で海外旅行を敢行する人も少なくありません。ただ、今回の緩和によって、格段と海外へ渡航しやすくなります。今後は、日本入国時に海外出国前と日本到着時の検査が陰性であれば、ワクチンを3回打っている人は、渡航先によっては隔離なしですぐに解放される。2回までの人は自宅などでの自主隔離が3日間に短縮です。これから3回目のワクチン接種を控えている人も多いでしょうし、2回接種の人の中にも、3日間の自主隔離で済むなら我慢してでも行ってみよう考える人が出てくるでしょう。旅行会社や航空会社は、海外旅行の解禁に向けた一歩として期待しています」

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