藤澤五月の劇的ショットを成功させたチーム力 じんわり理解できた吉田知那美の言葉

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 2月11日、カーリング女子一次リーグ、日本代表のロコ・ソラーレは、いきなり「2強」と呼ばれるスウェーデン、カナダと対戦。初戦こそスウェーデンに敗れたが、2戦目でカナダに快勝。そして翌12日のデンマーク、ROC戦は、苦しみながらも最後の一投でデンマークを下し2勝1敗、ROC(ロシア・オリンピック委員会)にも勝ち3連勝した。【小林信也/スポーツライター】

「イメージして練習してきた」

「藤澤五月、最後の一投で大逆転!」

 デンマーク戦後、ネット・ニュースにはそのような見出しが躍った。第10エンドの2投目、最後のショットを投げるまで日本は5対7とリードを許していた。しかもその時点でハウス(円)の中心に最も近いナンバーワン・ストーンは黄色のデンマーク。そのままではデンマークに1点を奪われ、敗れてしまう。最低でもこの黄色い石をはじいた上で2点を取らなければ追いつけない。

 ここで日本が選んだのは、3時方向にある相手の石の右側に当てて弾き出し、右に角度を変えた石が相手のナンバーワン・ストーンにもぶつかって外に弾き出すショットだった。これが決まれば一気に3点が入り、逆転勝利となる。この一投を、スキップの藤澤が見事に決めた。

「スキップのここぞという場面でのショットが試合を大きく左右する。大会が始まる前からああいうショットを投げるのはイメージして練習してきた。その通り決まって良かった」

 試合後、こともなげに藤澤が言った。

 インタビューするアナウンサーの方が興奮気味に「痺れるショットでした」と水を向けたが、藤澤は一瞬、「えっ?」とでも言いたげなキョトンとしたリアクションを見せた。

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