北朝鮮ミサイル連発の狙いは? 日本、韓国の政局への影響は

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 年初から繰り返される北朝鮮のミサイル発射実験。1月30日には約4年ぶりとなる中距離弾道ミサイルの発射実験にまで踏み切り、世界を唖然とさせた。

 政治部記者によれば、

「一連の発射実験には、アメリカの一部を射程に収めた中距離弾道ミサイルだけでなく、レーダーでの捕捉が難しい極超音速ミサイルも含まれている。北は経済制裁や米韓合同軍事演習をやめるよう圧力をかけたいものとみられます」

 これまで場当たり的な行動ばかりで“次の一手”の予測が困難と思われてきた北朝鮮。ところが、「コリア・レポート」の辺真一編集長は、

「今回のミサイル実験は、あらかじめ分かり切っていたこと。北は、日本との拉致問題などでは嘘八百を並べ立てるような国ですが、ことミサイルと核兵器に関しては有言実行なのです」

 一連の発射実験を読み解く鍵は、2019年にベトナムで行われた第2回米朝首脳会談にまで遡るという。

「このとき、非核化を巡ってトランプ前大統領と金正恩総書記の認識が食い違い、交渉は決裂。北は“彼らは絶好の機会を失った”と憤ったといいます。以降、昨年1月には『兵器開発5カ年計画』を策定。さらに北には、一昨年お披露目した新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)という切り札もまだ残っている。バイデン米大統領はウクライナ情勢にかかりきりですが、北がそのICBMの発射実験に成功すればアメリカ側の手札はほとんどなくなってしまう」(同)

日本、韓国でも政局の火種に

 北朝鮮の目的はあくまでアメリカを揺さぶることにあり、日本や韓国は蚊帳の外ともいわれるが、

「韓国は大統領選の真っ最中。日本政府による佐渡金山の世界文化遺産登録申請が反日の革新系候補に追風となる一方、北のミサイル実験は対北強硬路線をとる保守系候補に有利に働く。いわば“北風”と“東風”が拮抗している状態です」(同)

 一方、日本でも北のミサイルが政局の火種に。

「“敵基地攻撃能力”の問題ですよ。岸田文雄総理は保有検討を表明しましたが、未だ慎重論は絶えない。ただ、北の脅威が増すほどに党内タカ派の声は大きくなり、岸田政権は後戻りができなくなる」(政治部記者)

 衝撃波の揺れが到来。

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