巨人キャンプ地・宮崎の歓楽街は閑散 キャバクラ関係者が懐かしむ“カネ払いが良かった人気選手”

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 長引くコロナ禍で、夜の街はどこも苦しい。例年ならこの時期、キャンプを張る巨人軍の選手たちで溢れかえる宮崎もしかりだ。オミクロン株が流行しているとあって、選手たちは合宿所で大人しく食事しているという。ネオン街からは、華やかりなりし頃を振り返り、誰よりもカネ払いが良かった大物選手を懐かしむ声が聞こえてくる。3年前、広島へ移っていった「あの男」である。

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寂しい「ニシタチ」の夜

「去年もこの時期はコロナ真っ盛りで、球団は外出禁止令を出していたので選手たちはまったくやって来ませんでした。けど、年明けくらいは、全国的に感染者数が減っていたので、きっと帰ってくるだろうと待ち構えていたのです。彼らにとっても、ストレスの発散場所が必要。毎年、持ちつ持たれつやってきましたからね」

 こう振り返るのは、宮崎の某キャバクラ関係者である。確かに、年明けは全国的に新規感染者数が全国で2桁台まで減少し、楽観的な雰囲気があった。だが、オミクロン株の蔓延がそんな期待を打ち砕く。1月21日、宮崎県でもまん延防止等重点措置が発令された。宮崎は飲食店に対する要請が厳しく、営業時間は午後8時までで、酒類の提供は終日できない。

 確かに、宮崎最大の歓楽街「ニシタチ」は閑散としていた。午後8時ともなれば、人通りはほとんどなし。シャッター街のようである。だが、かつては、授業終了のチャイムとともに学校から飛び出す子供たちのように、練習後、我先にとタクシーで乗りつけてくる巨人選手たちの姿があった。

「まずは宮崎牛で腹ごしらえ。そして、いざ”出陣”となるわけです」(前出・キャバクラ関係者)

「全部、オレにつけておいて」

 とりわけ、巨人軍の選手たちが愛したのは、ニシタチの中央に構える「ダイヤモンドビル」。キャバクラ店がひしめく雑居ビルだが、コロナ前は、夜な夜などんちゃん騒ぎが繰り広げられていたという。

「『選手たちが来るからVIPルームは絶対に空けておけ』という指令が飛び交っていました。4階から2階へみたいにハシゴする選手も多く、ボーイたちも大忙し。5、6年前、ある有力選手の夜遊びが写真週刊誌に撮られてしまい門限が厳しくなった後も、みんなこっそり来ていました。『今から行くから』とタクシーに乗る前に選手から電話が入るのです。表から入れるのはまずいので、まずは裏口にタクシーを横付けさせる。そして、あうんの呼吸で従業員用エレベーターに乗せ、他の客にバレないようにVIPルームに入れる」(同)

 そんな選手らの”闘魂”がギラついていた頃、「カネ払いが良い」「飲み方がきれい」と評判だった男がいた。

「広島に移籍した長野久義さんです。彼は本当にきれいにお酒を飲む人でした。すごいのは、『キャンプ中に来た巨人関係者の代金は全部オレにつけておいて』と言うのです。みんなやって来るたびに20〜30万飲みますから、毎年まとめて300〜400万円くらい払っていたんじゃないか」(同)

 それでも、「巨人軍は紳士たれ」を体現するかのごとく、偉ぶらなかったというのだから立派だ。

「記者さんや後輩、スタッフさんを数人連れてきて、みんなをコの字のシートに女の子を挟ませて座らせる。そして、自分は丸椅子に座って全員に目を配りながら、座を盛り上げる。絶対にお触りはしませんでした」(同)

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