橋下徹「テレビ大量露出」のウラにある巧妙な戦略とは 政治的中立性を巡り毎日放送が調査

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ツイッターでは維新への言及が突出

 現在、橋下氏はフジテレビの「日曜報道 THE PRIME」と「めざまし8」にレギュラーで出演し、昨年1年間の総テレビ出演回数は実に250回を超えた。

「橋下氏がメディアに大量露出しているおかげで、結果的にとはいえ、“維新寄り”の画が公共の電波を通じて流れている。そのことと、昨年10月の衆院選で維新が元の11議席から41議席まで勢力を拡大したことは無関係ではないでしょう」(同)

 では、橋下氏は本当に「いち民間人」なのか。

 さる政界関係者が昨年の衆院選後から12月末までの橋下氏のツイッターでの各政党への言及頻度について分析したところ、

「『自民』が約60回、『立憲』が約50回だったのに対して、『維新』は400回を超えていました。1年前の同時期についても調べましたが、維新への言及は約10回。ここにきて維新に関する発言が激増していることが分かります」

 この時期は日本維新の会所属の足立康史衆議院議員と「バトル」を繰り広げていたこともあって「維新」への言及が多くなった面はあるのだろう。しかし、そのツイートの中身をよく読んでみると、「この足立って議員、本当に維新??」と述べるなど、完全に「維新のブランドを守る」スタンスでの物言いとなっているのだ。

「念のため、やはりコメンテーターを務めている舛添要一前東京都知事の同時期のツイートも調べてみたところ、自民が約20回、維新が10回などとなっており、特定の政党への偏りは見られませんでした」(同)

フジテレビに年間150回出演

 橋下氏はテレビでは「いちコメンテーター」をアピールするも、「危機」を察知した際には踏み込んだ発言をすることもある。昨年12月、松井市長の「30人宴会問題」が発覚した際には、「日曜報道 THE PRIME」(12月12日放送)で、

「松井さん、自ら2時間程度ってことをね、吉村さんと松井さんで決めたわけですから、これしっかり守ってもらわなきゃいけないですよね。ただね、ルール自体がおかしいところがあって、確かに松井さんが言ったように上限の人数決まってないんですよ」

 と、擁護ともとれる発言をしている。

「橋下氏のテレビなどでの発言は実に巧妙です。不祥事を自らが厳しく非難する姿勢を示すことで“維新の不祥事への厳格さ、清廉さ”を暗にアピールして傷を浅くしようとするものだったり、“改革が手ぬるい”と叱咤することで逆に改革姿勢を示すものだったりします」(先の永田町関係者)

 暗黙のうちにこうした「メディア戦略」を許しているテレビ局側の責任も見過ごせまい。中でもフジテレビはレギュラー番組を二つも持たせ、ゲストとしての出演回数も含めると年間150回を超える。他のキー局と比べて突出した出演回数となっているのだ。

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