42歳「稲本潤一」が南葛SCに加入 注目の「23区内クラブ」で期待される役割

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W杯1大会での2試合連続ゴール

 そしてアーセナル所属で迎えた日韓W杯で稲本は、初戦のベルギー戦(2-2)、続くロシア戦(1-0)でゴールを奪い、W杯における初勝点と初勝利に貢献し、チームをベスト16に導いた。ちなみにW杯1大会での2試合連続ゴールは、いまだ稲本しか達成していない。

 その後もW杯は06年ドイツ、10年南アと3大会に出場し、クラブチームではイングランドのフラム、ウェールズのカーディフ・シティ、トルコのガラタサライ、ドイツのE・フランクフルト、フランスのスタッド・レンヌなど5カ国のクラブを渡り歩き、2010年に川崎Fに完全移籍でJリーグに復帰した。

 そんな稲本が地域リーグである南葛SCへ移籍したことを不思議に思うかもしれない。しかしいまは、Jリーグ昇格を目指す「23区内」のクラブが熱視線を集めていて、南葛SCは稲本だけでなく、東京VやFC東京で活躍したテクニシャンの河野広貴(31)、元日本代表FW関口訓充(36)らも獲得している。関口は昨シーズンまで仙台に、河野は東京Vに所属した現役バリバリの選手だ。スタジアムも今後、葛飾区内に建設予定と聞く(現在のホームスタジアムは葛飾区奥戸総合スポーツセンター)。

クリアソン新宿の成功

 この葛飾区と隣接する江戸川区では、関東リーグ1部に所属する東京23FC(ホームスタジアムは江戸川区陸上競技場)も将来のJリーグ入りを目指して活動を続けている。また、昨年シーズンは関東リーグ1部で優勝し、地域CLでも優勝すると、JFL16位のFC刈谷との入替え戦にも勝利を収め、一足早くJFL昇格を果たしたクリアソン新宿は、当然、新宿区をホームタウンにする(ホームスタジアムはまだない)。

 クリアソン新宿は、クラブのアドバイザーには元日本代表の森岡隆三氏を招き、チームの主軸には柏レイソルや横浜FMで活躍し、20年まで鳥栖でプレーした小林祐三(昨シーズン限りで引退)を獲得して、19年の関東リーグ1部昇格から3年でJFL昇格につなげた。

 昨年11月28日に味の素フィールド西が丘で開催された全国CL最終戦で、FC徳島対クリアソン新宿戦は、開催地が都内ということもあって1650人の観衆が詰めかけた。そのほとんどがクリアソン新宿のファン・サポーターだった。昨シーズンのJ3リーグのクラブ別平均入場者数に当てはめると、15チーム中で今治に次いで7位の数字である。

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