選抜高校野球は問題だらけ 「21世紀枠」以外にもある“不可解な選考方法”

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出場する32校は同じ基準ではない

 3月18日に開幕する選抜高校野球。その出場校を決める選考委員会が1月28日に開催される。地方大会の優勝校がそのまま出場校となる夏の甲子園とは異なり、高校野球連盟(以下高野連)によって“選抜された学校”が出場権を得ることになる。【西尾典文/野球ライター】

 まず、選抜の出場枠について、説明したい。出場する32校は全て同じ基準ではなく、「一般選考枠」28校、「神宮大会枠」1校、「21世紀枠」3校と3種類に分かれている。一般選考枠は、昨年の秋季大会で上位に進出したチームが基本的には選ばれる。北海道1、東北2、関東・東京6、北信越2、東海2、近畿6、中国・四国5、九州4という形で枠が振り分けられている。

 また、「神宮大会枠」とは、昨年11月に行われた明治神宮大会で優勝した学校の地域に追加で割り振られるものであり、今大会は、その該当チームが大阪桐蔭(大阪)であるため、近畿地区から一般枠に加えて1校選ばれることとなる。

高校野球の模範的な姿を実践している学校

 最後の「21世紀枠」は、その名の通り21世紀となった2001年の第73回大会から導入されたものであるが、その選考基準は「勝敗にこだわらず多角的に出場校を選ぶセンバツ大会の特性を生かし、技能だけではなく高校野球の模範的な姿を実践している学校を以下の基準に沿って選ぶ」となっている。

1、秋季都道府県大会のベスト16以上(加盟校が129校以上の都道府県はベスト32以上)が対象
2,以下の推薦例のいずれかに当てはまる学校
・少数部員、施設面のハンディ、自然災害など困難な環境の克服
・学業と部活動の両立
・近年の試合成績が良好ながら、強豪校に惜敗するなどして甲子園出場機会に恵まれていない
・創意工夫した練習で成果を上げている
・校内、地域での活動が他の生徒や他校、地域に好影響を与えている
(2017年1月27日付毎日新聞による)

 毎年、21世紀枠の選考は予想が難しく、その枠の存在意義に関しても疑問の声も多く聞かれる。

「『21世紀枠』の選考基準は、他者が簡単に比較できるものではなく、各地区の高野連のプレゼンテーションによって結果が大きく左右されているという声も多いですね。東北からは過去に13校が21世紀枠で選ばれているが、同じ雪というハンディがある地域にもかかわらず、北信越からはわずか3校の出場にとどまっていることもそれをよく表しています」(高校野球チームの関係者)

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