ワクチン未接種の子どもは富士急ハイランドにも行けない 山梨県知事と堀内ワクチン担当相が外出自粛要請をめぐりバトル

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 新型コロナウイルスの感染拡大対策として、山梨県が打ち出した独自の対策が波紋を広げている。ワクチンを2回接種していない県民に対して「不要不急の外出を自粛するよう」県知事が求めたところ、賛否の声が上がっているのだ。

 山梨県の長崎幸太郎知事(53)は1月23日の記者会見で、ワクチン未接種者に対して、「やむを得ない事情がある場合をのぞき、不要不急の外出・移動の自粛を」と呼びかけた。異例の要請に、ネット上では「やりすぎだ」「差別ではないか」という声が多いが、一方で「未接種者自身を守るためなら差別とはいえない」という意見も見られる。ただし、記者会見以降、県庁に対しては批判的な意見の電話や問い合わせが相次いでいるという。いったいどういう意図でこのような要請を出したのか、山梨県に聞いてみた。

――ワクチン未接種者に対してのみ、不要不急の外出を自粛するよう呼び掛けているが、根拠は?

「根拠としましては、今年1月以降の県内の感染者の状況を分析してみましたところ、ワクチンを2回以上接種された方の発症率が約0.15%でした。それに対して2回以上接種していない方の発症率は約0.29%。ということで約2倍の感染率であったということがわかっています。
 ですので、接種を終えていない方は、接種した方と比較して発症率が高いので、ご自身の健康を守っていただくために、不要不急の外出については自粛への協力を要請したということでございます」(知事政策局政策参事・有泉清隆氏)

 あくまで「未接種者の健康を守ること」が目的だという。だが、厚生労働省が今年1月に発表したデータ(「新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識」)によれば、30歳代の重症化率を1とした場合、40歳代は4倍、50歳代は10倍と、年齢が上がるごとに重症化リスクが高いことがわかる。80歳代にいたっては71倍、90歳代で78倍ものリスクがあり、また、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患といった基礎疾患、肥満、喫煙習慣のある人の重症化リスクが高いことも記されている。

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