子供はワクチンを打つべき? 経口薬の注意点は? 医師が徹底解説

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 Q.ファイザーの経口薬「パクスロビド」は、基礎疾患があると飲めない?

 いきおいパクスロビドへの期待が高まるが、寺嶋教授が解説する。

「有効性は89%と高いのですが、抗ウイルス薬のニルマトレルビルと、その効果を持続させるブースト薬のリトナビルを併用する必要があって、リトナビルには飲み合わせができない薬が多いのです。高血圧の薬や睡眠薬、血栓の予防薬などを併用すると、そちらの効果も高くなりすぎてしまう。高血圧薬だと血圧が下がりすぎたり、睡眠薬であれば意識を失ったりする可能性があるのです。そういう薬を日常的に飲んでいる人は、いったん服用を中止するしかないでしょう。リスクがある人ほど使えない、というジレンマがあります」

09年の新型インフルは2カ月で5類に格下げ

 ところで、新型コロナウイルスについて、大半がオミクロン株に置き換わってから、感染症法上の位置づけを「2類相当」から、季節性インフルエンザと同等の「5類」へ引き下げてはどうか、という声が急速に高まっている。

 要は2類以上なら、入院勧告や外出自粛要請が可能だが、それは患者が気軽にかかりつけ医に診てもらうことも、一般の病院に入院することもできないという意味でもある。また、患者を受け入れた病院は、致死率50%のエボラ出血熱並みの厳重な対応が求められる。感染力は高くても重症化しにくい感染症にこの対応では、保健所も医療機関ももたない、というわけだ。

 東京脳神経センター整形外科・脊椎外科部長の川口浩医師が言う。

「2021年2月13日施行の改正感染症法で、新型コロナは“指定感染症”から“新型インフルエンザ等感染症”に変更されましたが、ネーミング変更によるガス抜きにすぎません。実際の扱いは2類相当のままで、医療逼迫の原因になっています。ちなみに、09年の新型インフルエンザは、2類相当指定感染症になってから2カ月で、5類に格下げされています。季節性インフルエンザと同様、ワクチンや治療薬が有効だとわかったからです」

 そして、オミクロン株による第6波においても、

「社会インフラを維持するためにも、5類への引き下げが必要です。オミクロン株は、感染性は強くても病原性が弱い。ワクチンも飲み薬も存在します。いま5類にすれば、医療体制の拡大が可能なのです」

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