レスリング「藤波朱理」は現在86連勝中 伊調馨氏“全日本スタッフ入り”のウラ

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 昨年12月16~19日、駒沢体育館(渋谷区)でレスリングの全日本選手権が開かれた。東京五輪代表の出場は男子フリースタイル92キロ級の高谷惣亮(そうすけ)だけだった。32歳の高谷は圧勝で74キロ級時代から11連覇したが、大会で最も注目されたのが「吉田沙保里二世」とも期待される、女子53キロ級の世界チャンピオン藤波朱理(18、三重・いなべ総合学園高校)だった。

 初出場した昨年10月の世界選手権(オスロ)で見事に優勝して一躍、スターダムに躍り出た。その際、インタビューでは英語で受け答えして周囲を驚かせた。「目立ちたがり屋なので自分が目立つにはどうすればいいかなと考えて英語で話そうと思ったんです。英語の先生と会見の想定インタビューの練習をしました」という。世界選手権も最初から優勝すると決めてかかっていたのだろうか。可愛らしい顔をしてなかなかの強者(つわもの)である。

 女子は一昨年、昨年と東京五輪代表が不参加だったとはいえ、全日本2連覇を決めたこの日は、決勝では入江ななみ(26、ミキハウス)を8-2の圧勝で下した。「常に進化していれば勝ち続けられると思う。私がレスリングを有名にしたいという思いがある」と頼もしい。これで藤波の国内外での連勝記録は86連勝となった。五輪3連覇の吉田沙保里氏が成し遂げた前人未到の119連勝も視野に入ってきている。

 この階級の日本人選手としては珍しく、164センチと長身で手足が非常に長い。飛び込みタックルにばかり頼るのではなく、組んだ態勢から着実に加点していく。タックルされた時に相手を潰してゆくさばきもうまい。

 吉田氏と同じく、三重県の出身だが今春からは至学館大学(愛知県)ではなく東京の日本体育大学に進む。いなべ総合学園高校の監督は父親の俊一さん。「すでに月の半分くらいは日体大、半分は地元の生活になっていますが、卒業すれば娘の生活拠点はずっと東京です」と話す。

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