「鎌倉殿の13人」の初回を専門家はどう見たか ナレーション「長澤まさみ」の配役を予想する

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ゾッコンよ

碓井:本来ドラマとは、知らない結末に向かって見せていくものなんですけどね。失敗した大河には“おかしみ”がありませんでした。「鎌倉殿」の場合、登場人物も多いのですが、一人ひとりそれぞれが明るく、おかしみがありますし、次回作が楽しみになるんです。ほぼ同時代を描いた「平清盛」(12年、主演・松山ケンイチ)は暗く重く作られた大河でしたから、視聴者も次週も見ようとは思えなかった。

――「鎌倉殿」は確かに明るいが、現代風な言葉遣いが賛否両論を呼んでいる。

碓井:これまでの三谷大河を見ていない人は、そう感じるかもしれません。時政が再婚の理由を問いただされ「寂しかったんだもん」と答えたり、実衣が「姉は(頼朝に)ゾッコンよ」と言うセリフもありました。中世の話し言葉はわからなくても、いくら何でもそれはないと思わせるものです。ですが三谷大河では、すでにお馴染みですからね。

――そもそも「13人」とタイトルに算用数字が用いられたのは大河史上初。「これまでの大河とは違う」と宣言しているようなものだ。

サプライズ出演はあるのか

碓井:言葉遣いは、当時の人にも現代人に近い感覚があることを表現する手段と考えていいのではないでしょうか。現代語訳と言うよりも、三谷流の超訳です。それよりも、現代の感覚では残酷と思われる子殺しも、しっかりと入れ込んでいました。こうした使い分けの巧さが三谷脚本の特徴です。

――「新選組!」では元祖・土方歳三役者である栗塚旭を出演させたり、「真田丸」ではかつてNHK新大型時代劇「真田太平記」で真田幸村を演じた草刈正雄を幸村の父・昌幸に起用するなど、サプライズがあった。今回はどうだろう。

碓井:三谷作品のサプライズ出演は、三谷さんが子供の頃に夢中になった作品からの起用が多いように思います。そうなると、大河「草燃える」(79年、主演・石坂浩二)で北条政子を演じた岩下志麻さんが、何らかの役で出演するかもしれません。

――ナレーションを担当している長澤まさみの出演はないのだろうか。

碓井:囁き型のナレーションもこれまでになく斬新ですが、彼女が何者であるのかはまだ明かされていません。彼女は「真田丸」ではヒロインを演じていましたし、何らかの形で出演すると思います。

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