南果歩が語る「おひとりさま」の流儀 ポイントは「他力本願」と「ペットの存在」

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孤独を知っているからこそ……

 若い頃は「誰かが私を」幸せにしてくれるんじゃないかと考えていました。でも、おひとりさまはどうやって「自分で自分を」ハッピーにするかが問題になってくる。その点、仕事だと人からの評価がついて回りますが、趣味なら純粋に自分で楽しむだけでよく、まさに自分で自分をハッピーにできます。

 あとは筋トレ。健康あってこその人生です。健康でなければ、ひとりで旅行に行くのも面倒になるし、好奇心も枯れてしまう。加齢に伴う筋力や体力の衰えのカーブを少しでも緩くして、年代にあった楽しみ方を続けていくために、片手で8キロのダンベルをあげたり、パワーヨガをやっています。

 私のように50代という早い段階で「ひとりに戻れる」生活が巡ってくるのはそうそうないことだと思うんです。ですから、今はおひとりさまの生活を思い切り満喫したい。だからといって、必ずしもこの生活を続けていくと決めたわけではありません。孤独を味わい、楽しみ尽くしたら、いつかきっと人恋しくなると思うんです。だから、またパートナーと一緒に暮らす日が来るかもしれません。孤独を極めた結果、寂しさや辛さを知った人は、その分、他人に優しくなれる気がするんですよね。

南 果歩(みなみかほ)
女優 。1964年生まれ、57歳。短大在学中の84年に主役で映画デビュー。その後、映画だけでなくテレビドラマにも数多く出演し、CMや舞台でも活躍している。乳がんやうつ病などを克服して、最近はエッセイも執筆。

週刊新潮 2021年12月30日・2022年1月6日号掲載

特集「『離婚』『生涯独身』『死別』…1億総『おひとりさま』時代 先達に学ぶ『知恵』と『現実』」より

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