「オミクロン株」感染者急増中 2類相当をインフルエンザと同じ5類相当に引き下げるのはいつか

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下がる重症化率

 オミクロン株の感染力は桁違いに強いが、重症化率は低いことも分かってきた。

「オミクロン株の感染が急拡大しているイギリスのイングランドでは、12月21日までに約5.6万人の感染が確認され、入院した患者さんは129人、死亡14人でした。入院(重症化)率を計算すると0・23%、インフルエンザの重症化率0・1%に近づいてきていることが分かります」(同・角田医師)

 ここまで重症化率が下がっているとなると、注目したいのが感染症法による指定感染症の問題だ。

 感染症の危険度に応じて1類から5類までに分け、それぞれの対応策を定めている。数字が小さいほど危険度は高い。

 例えば、1類はエボラ出血熱やペストなどが該当する。2類は結核やSARS(重症急性呼吸器症候群)など。

 3類はコレラや腸チフスなど、4類は黄熱やマラリアなど、そして5類はインフルエンザなどが該当する。

 類ごとの措置を見てみると、例えば「死体の移動制限」が課せられるのは1〜3類だ。「入院の勧告・措置」は1〜2類となっている。

「新型コロナは『2類相当』に分類されています。だからこそ感染者は、医療機関で入院しなければならないのです。ところが岸田首相は、自宅療養も認める方針を打ち出しました。これは実質的に2類相当を引き下げようとする文脈に位置づけられるのです」(前出の記者)

PCR検査の“価格”も変化

 週刊新潮は以前から「5類相当への引き下げ」を誌面で訴えてきた。ここではデイリー新潮の記事をご紹介しておこう。

◆コロナを5類感染症に引き下げるべきか 専門家の意見は(20年11月14日)

◆保健所が厚労省に「2類指定を外して」 体制の見直しで医療逼迫は一気に解消へ(20年12月27日)

◆「感染症法の改正」より優先すべきは? 民間病院の患者受け入れ、2類相当の引き下げ(21年1月27日)

 角田医師は「厚労省は昨年の12月8日、健康保険を使ってPCR検査を受ける場合、価格を引き下げると発表しました。これも同じ『2類を引き下げる』という文脈に位置づけられます」と指摘する。

「1類や2類は検査でも危険度が高く、厳重な防疫が求められます。そのため新型コロナのPCR検査でも、外部に委託する場合は1万8000円、病院が自ら行う場合は1万3500円と、価格が決まっていたのです。ところが岸田内閣は、厚労省や医師会に充分相談することなく、トップダウンで7000円に引き下げました。無料のPCR検査を拡充するという政策も影響を与えているとは思いますが、やはり2類相当を引き下げようとする動きだと考えるべきでしょう」

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