大谷翔平の二刀流を開花させたエンゼルス監督 かつて二刀流起用を実現できなかった苦い過去が

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 2021年に飛躍を遂げた著名人はと問われれば、誰もが挙げる、大谷翔平(27)。メジャー4年目は「9勝46本塁打」の大化けだったが、MVP獲得の裏には、所属するエンゼルス、マドン監督の巧みな“操縦”もあった。

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 12月のバラエティー番組には、東京五輪で活躍したアスリートたちが多数出演。タレントや芸人たちと、はしゃぐ姿が見られた。

 しかし、この人はそんな姿とは無縁か。帰国時に記者会見を開いた後は、メディアとは一線を画したのである。

「彼は都心の50階近くあるタワマン最上階に部屋を持っていますが……」

 と語るのは、大谷のさる知人である。

「オフはここに拠点を置き、トレーニング三昧。近くにある会員制ジムだけでなく、時には車で40~50分はかかるアスリート専門ジムにまで足を延ばし、体力強化を図っています」

 送り迎えはアメリカにも同行していた専属通訳。要は、シーズン中とあまり変わらない生活を送っていたわけである。

 適齢期にも拘らず「遊ぶ」ということを知らず、野球一徹、という言葉が口を衝くが、何が彼を形作ったのか。

 歴代の指導者である、花巻東高校の佐々木洋、日本ハムの栗山英樹両監督の影響はつとに知られている。

 ベースボールジャーナリストの石田雄太氏は言う。

「佐々木監督には“先入観は可能を不可能にする”など野球に真摯に取り組むための基礎となる考え方を植え付けてもらった。また、それを元にして、プロの世界で必要な“応用力”を教えたのが栗山監督です。誰もやったことのない二刀流を成功させるためには、今の自分のコンディションがどのようなものであるかを、他ならぬ大谷選手自身が敏感に感じ取らないといけない。投打の両方を同時に実践する『コーディネート能力』が重要なのです。こうした“身体のセンサー”を磨くことを、口酸っぱく言い聞かせていたのが、栗山監督でした」

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