「カラオケで本当に好きな曲が歌えなかった」 作家・君嶋彼方を変えた大学時代のサークルでの出会い

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好きな歌を臆せず歌える気持ちよさ

 2021年、小説野性時代新人賞を受賞し、『君の顔では泣けない』でデビューした作家の君嶋彼方さん。学生時代、夢中で聴いていたのは戸川純、筋肉少女帯……。周囲とは話が合わなかった彼の視界を広げたのは?

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「普段どういう音楽聴いてるの?」――苦手な質問のうちの一つである。

 この質問に対して、素直に好きなアーティストの名前を答えると、大抵の人の頭の上にははてなマークが浮かぶ。そしてそのまま気まずい沈黙が流れる。だからどうしても「わりと何でも幅広く聴くよ」なんていう無難な答えばかりいつも返してしまう。...

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