宿敵韓国を唖然とさせた「追いロジン」…2021年の野球界を彩った“流行語”

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「ずっと見ているから、ちゃんとやってよ!」

■「ちゃんとやりました」(智弁和歌山・中谷仁監督)
“智弁対決”となった夏の甲子園決勝は智弁和歌山(和歌山)が智弁学園(奈良)を破り21年ぶり3回目の優勝を飾った。その智弁和歌山を昨年12月に指導して話題となったのがイチロー氏(マリナーズ会長付き特別補佐兼インストラクター)だ。

 これが日本国内では指導者として初めて活動となったが、自らのプレーを見せながら3日間にわたって指導。その効果もあってか、春の選抜出場を逃していたチームは夏にかけて急成長を見せて、見事3度目となる夏の頂点に輝いた。

 イチロー氏は指導の最後に「ずっと見ているから、ちゃんとやってよ!」という言葉をかけていたが、チームを指揮する中谷監督はその言葉に対して「イチローさんだけじゃなく、この子たちが日本一を目指すために、たくさんサポートしてくれた方がいる。その方、全てに『ちゃんとやりました』と伝えたい」と話している。

 イチロー氏は11月以降にも国学院久我山(西東京)、千葉明徳(千葉)、高松商(香川)を指導。今月18日には女子高校野球選抜とのエキシビジョンマッチにも出場するなど精力的な活動を見せており、来年以降もその動向に注目が集まる。

優勝を目指さない

■「BIG BOSS」(日本ハム・新庄剛志監督)
 オフに最も話題をさらったのが、日本ハムの新庄剛志新監督だ。2006年に現役を引退してからは野球界とは距離を置いていたが、19年11月に突然現役復帰を目指すことを表明。20年12月に行われた12球団合同トライアウトに参加して、タイムリーも放っている。

 結局、獲得を表明する球団は現れずに現役復帰は断念したものの、今年10月には古巣の日本ハムから監督就任のオファーを受けて快諾。就任発表の記者会見では自身のことを監督ではなく「BIG BOSS(ビッグボス)」と呼んでほしいと発言し、その愛称は一気に広まった。

 他にも優勝を目指さない、オープン戦初戦のオーダーを投手の上沢直之に任せるなどと発言し、すっかりオフの主役となっている。春季キャンプでも多くの話題を提供することが予想されるが、低迷するチームをどう立て直すかに注目したい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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