The Touch of E-book──電子書籍に官能性があるとしたら

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 今年に入って、老齢の父が入退院を繰り返すようになり、コロナ禍の厳戒態勢をかいくぐるように日帰りや1泊で京都の実家に行くことが増えた。そんななか、せめてもの気晴らしにと衝動買いしたのがKindle(Amazonの電子書籍リーダー)。片手に収まるオリーヴ色の端末は愛らしく、いつも出張や帰省の移動にさいして「本欠乏恐怖症」から、読み切れないほどの冊数の本を鞄に詰めこんでいたことを考えると、なんたる手軽さ! 不安と緊張の続くなか、バッグに忍ばせたKindleが精神安定剤の役割をはたしてくれたといっても大げさではない。...

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