「櫻井翔」が8大会連続で五輪キャスターに その真髄に迫る

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もうひとつのきっかけ

 実は、知人のアナウンサーの活躍を見たこと以外に、もうひとつ櫻井が報道の仕事を意識し始めたきっかけがある。

「9.11(01年、米国同時多発テロ)のときなんですが、攻撃する側の理由っていうのはメディアでさんざんやってたんだけど、なぜやられたのかっていう“攻撃された側”の要因が全然分からなかったんです。『どっちが正しい』とかいう問題ではなく、双方の理由を知ってから、自分の解釈が重なっていくものなんじゃないかなと素朴に思って。それで個人的に民族紛争とか宗教戦争の本を読み漁りました」(*1)

 善と悪に線を引くためではない。片側の情報しか知ることができなかったことに感じた違和感をきっかけに、自ら知って、重ねていく。それでも、安易に“客観性”を装うことはせず、簡単には答えの出ない問題に対して、真摯に当事者に対峙して言葉を引き出していく。その重なりが、唯一無二のキャスター・櫻井翔を形作っているのだろう。

(*1)日経エンタテインメント2008年7月号
(*2)CUT 2008年7月号
(*3)Newsweek 2021年3月16日号
(*4)ぴあ2009年3月19日号

霜田明寛
1985年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。9歳でSMAPに憧れ、18歳でジャニーズJr.オーディションを受けた「元祖ジャニヲタ男子」。就活・キャリア関連の著書を執筆後、4作目の著書となった『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)は5刷を突破。 また『永遠のオトナ童貞のための文化系WEBマガジン・チェリー』の編集長として、映画監督・俳優などにインタビューを行い、エンターテインメントを紹介。SBSラジオ『IPPO』凖レギュラー。

デイリー新潮編集部

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