NHKがカーリング北京五輪世界最終予選の放送を一時中止したナゾ 専門家は対応を疑問視

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かえって宣伝に

 ところが事態は急転。平昌五輪で銅メダルを獲得し、おやつを頬張る「もぐもぐタイム」でも脚光を浴びた女子日本代表、ロコ・ソラーレらが出場する11日の予選から、テレビ中継が再開されることに。Easy Toysがロゴをすべて、“#equality for all(すべての人に平等を)”という言葉に置き換えたからである。

 しかし、そもそも騒ぐようなことだったのか。

「NHKは大リーグの試合を中継するとき、球場内に掲げられたスポンサーの看板を、公共の電波を使ってすべて映しています。Easy Toysを問題視するなら、それらを暗黙の了解で済ましているのもおかしい」

 とは、放送プロデューサーのデーブ・スペクター氏の意見。そして矛先は、NHKに先んじて放送を中止した米NBCに向かい、

「百歩譲ってNHKは公共放送ですが、NBCは民放で、日ごろイヤらしいドラマを放送しています。それに、Easy Toysという企業ロゴを一瞥しただけで、どんな会社なのかわかる視聴者が、いったいどれだけいるでしょうか」

 日本にはほぼいないことだけは間違いなかろう。

「今回、同社がアダルトグッズを扱う企業だと指摘され、初めて知った人が圧倒的に多いのではないでしょうか。ですから、同社は放送中止騒動に巻き込まれて、宣伝効果を上げたと言えなくもありません。はたして指摘すべきだったのか」

週刊新潮 2021年12月23日号掲載

ワイド特集「薄氷踏んで風雲急」より

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