作家「高橋三千綱さん」の楽天と快楽 俳優に刺されても情状酌量を求めた過去【2021年墓碑銘】
底流にある青春というテーマ
芥川賞作家の名に固執せず、ものを創り出すことに妥協しない姿勢を貫いた作家・高橋三千綱さん。「生きているうちにどれだけ幸せになれるか」を大切にしていたが、波乱に富んだ人生を送ったという。その生き方を振り返る。
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『九月の空』で1978年に芥川賞を受賞した高橋三千綱さんは、受賞から40年以上を経た今も、その名がしっかり根付いている。受賞作は剣道に打ち込む高校生を描いた青春小説。まっすぐな作品と共感を呼んだ。当時、高橋さんは30歳。...