中国・西安で「流行性出血熱」が感染拡大中か 人民解放軍の病院が閉鎖されたとの報道も

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北京五輪への影響

 傍証になるかもしれないのが、「人民解放軍空軍第986病院が『南区』を部分的に閉鎖」したという報道だ。

「この病院は西安市の中でも規模が大きい基幹病院の一つで、提供する医療の質が高いことで有名です。閉鎖の理由は全く明かされていません。出血熱による院内感染の可能性も考えられます。もし院内感染が事実なら、西安市の感染拡大は深刻化しているのかもしれません」(同・田代氏)

 先に見たように、西安と北京は直線距離にすると東京と福岡くらいだ。今後の焦点は、出血熱の感染エリアがどれだけ北京に近づくかだろう。

「前に説明した通り、健康に関する問題となると、中国共産党も一定の情報公開を行うように政府を指導します。北京に出血熱が迫ってくれば、何らかの形で情報を公開し、それをメディアが報じるでしょう。中国の人々もSNSなどで情報を発信できるので、全てを隠すのは無理です。もし北京にも感染が及びそうな事態となると、最悪の場合、北京五輪の開催にも黄色信号が灯りかねません」(同・田代氏)

他山の石

 西安市政府は1389万人の住民全員のPCR検査を実施すると発表しているが、これは単なる目標値ではないという。日本では考えられないほどの強権を発動して、無理矢理にでもPCR検査を受けさせるのだ。

 実際、今月15日から西安市の住民全員のPCR検査を行い、19日午前までに累計1389・08万人を検査し、そのうち1000・26万人が陰性であると発表されている。

「早朝でも深夜でも検査を行います。感染リスクがあると認定されて封鎖された区画の住民全員を強制的に呼び出して検査を受けさせます。病気や高齢などの理由で検査会場に来られない住民がいたら、防護服を着た係員が自宅に出向いて検査します。しかも繰り返し何度も検査を行います。こうした中国政府の姿勢を、『専制主義がなせる技』と言うこともできます。しかし、彼らが『PCR検査を徹底して実施し、無症状感染者を発見して隔離する』という感染症対策の基本に忠実なのも事実です。今後も日本は、新型コロナウイルスに限らず様々な感染症に襲われることでしょう。西安市の事例を他山の石とし、その徹底した防疫政策を学ぶくらいの気持ちを持つべきではないでしょうか」(同・田代氏)

デイリー新潮編集部

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