パートナーに男性更年期障害の兆候が現れた時に…40代女性2人が語った「選択」

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直接的な原因が特定しづらい

 更年期障害というと一般的には40代半ばから50代の女性が迎える、ホルモンバランスの崩れによる症状と考えられてきた。しかし近年、男性の更年期障害が目立ってきているという。女性の場合は症状の出る年齢にある程度の目安があるが、男性の場合は個人差が大きく、そう簡単に判断できないのが難しいところだとされる。配偶者に男性更年期障害の兆候が現れた経験がある40代女性2人に、その時の選択を語ってもらった。

 タレントの美川憲一やヒロミ、渡辺正行なども過去に発症を告白したことのあるこの障害、いったいどんな症状が見られるのか。

 男性更年期障害は、男性ホルモンであるテストステロンの低下が原因とされており、EDをはじめとする性機能の低下、集中力の低下、動悸、体力の低下などをもたらすと言われている。いずれも「加齢に伴う症状」と見なされることが少なくない。

 米医学会の報告によると、40代以降の20~40%の男性に前述のような症状が見られるが、厳格な診断基準に従うと、実際に更年期障害と特定されるのはわずか2%だという。肥満や一般的な健康状態の悪化(糖尿病、心血管疾患、慢性閉塞性肺疾患、虚弱体質など)がテストステロン低下をもたらすことも多く、女性のように直接的な原因が特定しづらいというのがその理由だ。

些細なことでキレるようになって

 しかし、コロナ禍のストレスもあってか、夫やパートナーの精神的なゆらぎを訴える女性が目立ってきているという。都内に住む40代の女性はこう語る。

「夫は昔からとっても明るいタイプの人でした。人なつっこい性格で部下からも上司からも慕われていて、趣味もサーフィンにスノボとアクティブ。子供ができてからは子供の面倒もよく見てくれて、家族からはもちろん、誰から見てもいいパパでした」

 そんな夫が急変したのはここ1年くらいのことだという。

「些細なことでキレるようになって、小学生の子供にも声を荒らげるようになりました。初めの頃はコロナのストレスかなと思っていたのですが、子供が父親を怖がるようになってきてしまって。そうすると、今度は私の生活や仕事にも支障が出てきました。同じような話を友人から聞いたことがあり、男性更年期障害を疑って病院の受診を勧めたのですが全く聞く耳を持たない。子供の面倒は見ることができても旦那のことにまではもうかまっていられないと、離婚を決意しました」

 子供はまだ10歳。更年期障害のような症状が出て1年程度で離婚とは。夫婦の事情はそれぞれとはいえ、もう少しガマンの仕方があったのではないかと感じる方も多いのではないか……。

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