「宮沢りえ」で業界タブーの裏かぶり 日テレとテレ朝の間で何があったのか

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 宮沢りえと寺島しのぶがW主演したテレビ朝日の2夜連続ドラマ「女系家族」。視聴率は第1夜(12月4日)が11・1%、第2夜(5日)はウラに「日本沈没―希望のひと―」(TBS)という強敵がいる中で12・0%と健闘した(ビデオリサーチ調べ、関東地区、世帯:以下同)。もっとも、業界関係者が驚いたのは視聴率ではなく……。

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 老舗木綿問屋の矢島商店は代々、家付き娘が婿養子をとる女系の家。その4代目当主・矢島嘉蔵(役所広司)が息を引き取った。矢島家の3人娘(寺島しのぶ、水川あさみ、山本美月)の前に現れたのは嘉蔵の愛人(宮沢りえ)。そこに大番頭や叔母も加わり、莫大な遺産の相続を巡る権謀術数が繰り広げられる――。それが山崎豊子の原作小説「女系家族」だ。

 これまで映画やテレビで何度も実写化されており、愛人や3姉妹には有名女優が起用されてきた。そこへ宮沢と寺島のW主演で、2夜連続の2時間もの(21:00~22:55)なのだから、テレ朝の気合いの入れようもわかろうというもの。

 実際、12・0%を取った5日、「日本沈没」(21:00~21:54)の視聴率は13・5%と初の15%割れとなった。ベテランのテレビマンは言う。

「この日は『THE MANZAI 2021マスターズ』(フジテレビ・19:00~21:54)が10・2%を取ったことも影響しているのでしょう。もっとも、びっくりしたのはその後です。日テレの『真犯人フラグ』(22:30~23:25)で宮沢が“裏かぶり”していたからです」

 裏かぶりとは、同じ時刻に局をまたいで出演することで、テレビ業界ではタブーとされている。「真犯人フラグ」の主演は西島秀俊だが、宮沢はその妻役として17年ぶりとなる民放の連続ドラマ出演が話題となっていた。

 そのためSNSでも、彼女の裏かぶりに驚いたという声が少なくない。

裏かぶりを避けて連絡

《宮沢りえさん、本日25分間まさかの「裏かぶり」ドラマ出演。1つはテレビ朝日のスペシャルドラマ「女系家族」 もう1つは日テレの「真犯人フラグ」》

《女系家族チラッとみたら宮沢りえが綺麗過ぎて てか真犯人フラグと裏かぶりしてたのはよかったのかしら?》

《真犯人フラグと女系家族で宮沢りえが裏かぶりしてるんやけど大丈夫なんかな?バラエティーだとNGやけどドラマはOKなん???》

「バラエティでもドラマでも、裏かぶりはNGとされています。ずいぶん昔ですが、女優の竹下景子さんが出演する連ドラと、彼女がマドンナ役だった映画『男はつらいよ』の放送がカブってしまい、問題視されたことがありました。もちろん、彼女にお咎めはありませんでしたが。また、予備校講師でタレントの林修さんは、フリー時代に裏かぶりをやってしまい、それを反省してナベプロに所属、スケジュール管理をやってもらうことにしたというのは有名な話です」

 梅沢富美男が「秘密のケンミンSHOW」(日テレ/読売テレビ制作)と「バラいろダンディ」(TOKYO MX)で裏かぶりした際、彼は日テレ側から「『MXは関係ありません』って言われた!」と語ったことがある。

「裏かぶりを避けるため、東京キー局の5局の編成は、毎月、裏かぶりをしないように連絡を取り合っているんです。確かにMXは入っていません」

 では、なぜ今回は、日テレとテレ朝で裏かぶりとなったのか。

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