「宮沢りえ」で業界タブーの裏かぶり 日テレとテレ朝の間で何があったのか

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テレ朝の目論見

「まずテレ朝は、“12月は絶対に負けられない”と考えています。年間平均視聴率の“三冠王”を取ることは、開局以来の悲願です。なかでも最も重要なプライム帯(19~23時)は、この前週まで日テレに0・1ポイント差で負けていました。テレ朝の10月クールは、『相棒』、『ドクターX~外科医・大門未知子~』、『科捜研の女』という連ドラBIG3のおかげで調子も上がっていますが、もう一手打ちたかった。それが『女系家族』であり、このドラマによって日テレに並んだのです」

 三冠王のためにはなりふり構わぬ、といったところか。

「日テレは毎年、大晦日の『笑ってはいけない』シリーズで数字を稼いでいたのですが、今年はなくなりましたから頭を抱えているでしょうね」

 とはいえ、裏かぶりは業界のタブーではなかったのか。

「理屈から言えば、『真犯人フラグ』はすでにレギュラー放送中ですから、テレ朝が調整するべきでしょう。レギュラー放送は特番より重視されます。90年代前半、『24時間テレビ』(日テレ)の司会をしていた徳光和夫アナが、土曜日の21時から22時になると姿を消していたのは、テレ東でレギュラー番組があったためです。テレ朝も前番組の『ポツンと一軒家』(19:58~20:56)を休止すれば、1時間繰り上げることは可能でした。しかし、そうはしなかった」

 いったい何があったのか。

解決策が見当たらず

「おそらく、宮沢は『真犯人フラグ』より前に、『女系家族』の話を受けたのでしょう。彼女も当然、事前に日テレに相談したはずです。『真犯人フラグ』では主人公の失踪中の妻役ですから、当然出番は少ないわけです。それで日テレも、仕方がないとなったのでは」

 5日の放送でも、確かに彼女の出番は写真と回想シーンに映る程度だった。ならば、日テレが放送時間を変えることはできなかったのか。

「『真犯人フラグ』の前番組は、資生堂1社提供の『おしゃれクリップ』(22:00~22:30)です。そう簡単に動かすわけにはいかないでしょう」

 その結果、前代未聞の事態が発生したわけである。

「宮沢は11月2日、夫の森田剛とともに新事務所MOSSを設立しました。子役時代からトップを走り続ける彼女にとって、業界のタブーや忖度など関係ありません。裏かぶりはタブーとされていても、ただの慣例に過ぎません。そして日テレもテレ朝も解決策が見つからず、そのまま放送したということでしょう」

デイリー新潮編集部

2021年12月12日掲載

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