安倍元首相が画策する「高市早苗」の清和研復帰に派内から絶対反対の声が続出する事情

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町村信孝に“反逆”

 ポストは内閣府特命相で、「沖縄及び北方対策、科学技術政策、少子化・男女共同参画、食品安全、イノベーション担当」という非常に長い肩書だった。

「高市さんは清和研の中で、順調に出世の階段を登っていました。ところが2011年、高市さんはいきなり退会したのです。当時の会長だった町村さんが自民党総裁選に出馬する可能性が取り沙汰されていたのですが、高市さんは『町村さんは応援できない』と言い出したのです」(前出の安倍派関係者)

 ちなみに国会議員時代に“共闘”することが多かった現在は群馬県知事の山本一太(63)は、2012年1月のブログで次のように振り返っている。

《昨年、高市早苗衆院議員が、所属派閥(清和政策研究会、現町村派)を退会した。(中略)理由は極めて明快。「派閥内で、次の総裁選挙に町村会長を擁立しようという流れがある。町村氏を応援するつもりはないので、迷惑をかけないうちに辞めた」ということだ。いかにも、高市さんらしい!》

高市は「閥務」を嫌気?

 自民党が下野していた2012年9月の自民党総裁選には、安倍、町村、石破茂(64)、石原伸晃(64)、林芳正(60)の5人が立候補した。

 安倍が勝利すると、自民党は12月の総選挙で政権を奪還。第2次安倍政権が始まったのだが、その間、高市は、常に安倍を支持した。

「安倍さんからすれば、高市さんの恩義に報いたいと考えて当然でしょう。しかし、町村さんだって仮にも派閥の長でした。彼に近い議員もいます。高市さんの発言を耳にして、怒り心頭に発したとしても不思議はありません」(前出の記者)

 しかも、である。高市は「町村は応援できない」と言っておきながら、脱会した理由は他にもあるのだという。

「清和研だけでなく他の派閥でもそうですが、閣僚経験者はパーティー券の割り当てが増えたりするのです。要職に就く者こそが汗をかくべきという考えは正論です。ところが高市さんは、閣僚経験者であるにもかかわらずそうした負担を嫌がり、派閥を出たそうです」(前出の関係者)

 この証言を裏付ける興味深い記事がある。高市が今年の自民党総裁選に出馬した際、時事通信が「細田派が不満を持っている」と報じているのだ(註1)。そこに一文、こんな記述がある。

《細田派内には、前身の旧町村派を退会した高市氏に対し「閥務を敬遠した」として厳しい見方が多い》

 閥務は辞書に載っていない言葉だが、要するに「派閥の仕事」だ。もちろん割り当てられたパーティー券を捌くことも含まれる。

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