高橋大輔が北京五輪に出場する可能性は? アイスダンスで日本勢歴代最高得点を獲得

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大ちゃんはいろんな顔を持っている

 高橋の生まれ故郷・岡山県倉敷市で、彼の実母と理髪店を営む田村光江さん(80)に聞くと、

「本当に大ちゃんはいろんな顔を持っているって、今日も(高橋の)お母さんと話していたんです。普段は末っ子気質の甘えん坊さんなのに、氷の上だと何かが憑依したかのよう。本当にスケートが大好きな子なんですよ」

 18日からのワルシャワ杯を経て、12月22日からの全日本選手権が五輪代表の最終選考会。果たして高橋に勝算はあるのだろうか。

「高橋・村元組は、昨シーズンと比べびっくりするほど息が合ってきています」

 と解説するのは、現役時代にアイスダンスで全日本選手権4連覇を果たし、06年のトリノ五輪では日本人歴代最高となる15位の成績を収めた木戸章之氏(46)だ。

「技の成功の可否がはっきりわかるシングルとは違い、アイスダンスは上達の自覚がわかりにくく、衝突したりして心を病むほどの苦悩が絶えません。それを二人は克服してきたわけで、この1年は本当に努力したと思う。とはいえ、比較すれば結成から5年以上経つ小松原組の方が、より一体感のある演技ができているのも事実です。両組ともに全日本までまだまだ伸びる可能性があるので、五輪にどちらが出場できるかは本当に分からない。さらに研ぎ澄まされたダンスが見たいですね」

 代表が決まるまで残り1カ月足らず。絶望から立ち上がり常識を塗り替えてきた男の挑戦の行方は如何に――。

週刊新潮 2021年11月25日号掲載

ワイド特集「『大殺界』を抜けて」より

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