日テレ「二月の勝者」は放送枠で損をした? ようやく見えてきた黒木蔵人の正体

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 日本テレビの連続ドラマ「二月の勝者-絶対合格の教室-」(土曜午後10時)は中学受験塾が舞台で、最近では数少なくなった子供たちをメインとする作品。新鮮だ。ネット上などでの評判も良い。だが、視聴率はもう一歩。放送時間帯で損をしているのではないか。

「二月の勝者」の第1話(10月16日)から第6話(11月20日)までの平均視聴率は世帯が約8.0%、個人全体は約4.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。十分に視聴率が獲れているとは言いがたい。

 中学受験塾を舞台にした物語は最近では目新しい。さらに主演の柳楽優弥(31)や助演の井上真央(34)、子役らの演技も評判が良いのに、なぜ視聴率が上がらないのだろう。

 大きな理由は放送時間帯の悪さではないか。どう考えても親子で観るのに適した作品だが、放送は午後10時から。土曜日とはいえ、子供たちには遅すぎると思う。ゴールデンタイム(午後7時~同10時)からも外れている。

 描かれているのは「難関中学の受験事情」「塾の実態」「競争下でも芽生える子供たちの友情」「親の奮闘」「不登校問題」「無料塾」――。これらを子供が観にくい時間帯に放送するのは勿体ない気がしてならない。

 日テレに土曜夜のドラマ枠が生まれたのは1969年10月。第1作は浅丘ルリ子(81)主演の「90日の恋」で午後9時半からのスタートだった。それが1973年10月からは同9時スタートに変更された。

 当時の作品は浅丘や吉永小百合(76)、故・森光子さんらが主演し、内容はガチガチの大人向けだった。

 その後、1987年に1度このドラマ枠は消えたものの、1年後に復活。三田佳子(80)「外科医有森冴子」(1990年)などのヒット作が生まれる。

 ティーンズの視聴者を意識した作品が目立つようになったのは安達祐実(40)主演の「家なき子」(1994年)から。その後、堂本剛(42)主演の「金田一少年の事件簿」(1995年)などが続いた。

 外から見ていて、よく分からなかったのが、2017年4月の放送枠異動だ。午後9時からの放送が同10時からの放送となり、それまで同10時台の番組だった「嵐にしやがれ」(2020年終了)と入れ替わった。

 その後、亀梨和也(35)主演の「ボク、運命の人です。」(2017年)から唐沢寿明(58)主演の「ボイスII 110緊急指令室」(2021年7月期)まで17作が放送された。だが、放送枠異動は裏目に出たとしか思えない。

 午後10時台の放送になって以降、全話の平均世帯視聴率が2桁に達した作品が「ボイス110緊急指令室」の弟1シリーズ(2019年)と天海祐希(54)主演の「トップナイフ-天才脳外科医の条件-」(2020年)しかないからだ。

 内容の良し悪しは別とし、午後10時台になってからは視聴率で苦戦する作品ばかり。なので放送枠異動の理由がよく分からない。

 作品は一貫してティーンズが喜びそうな作品が中心なのだ。やはり午後9時台の放送が向くのではないか。

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