10万円給付、異論続出の「960万円問題」の源は? 7年前から指摘されていた「児童手当の欠陥」

国内 政治

  • ブックマーク

Advertisement

議論が必要

 5月号の鼎談では、今は自民党の政調会長を務める高市氏が「とても参考になりました」、子ども政策担当相の野田氏が「児童手当を夫婦合算の所得制限にすべきというのなら、そうですね」という発言が記載されている。

 篠原氏の“助言”が影響を与えたのかどうか、11月17日、毎日新聞は「高市早苗氏、児童手当の所得制限見直しに言及 世帯合算も検討」との記事を報じた。

 高市政調会長の問題提起は見出しの通りだが、正論だと支持する有権者も少なくないだろう。だが、この問題でも公明党は反論している。時事通信は18日、「児童手当、世帯合算に否定的 公明幹部」との記事を配信した。

 記事では、公明党の北側一雄・中央幹事会長が「子供の教育費負担が大きいことから共働きしている世帯が多い」と記者会見で発言したとしている。

「確かに世帯合算に変更すると、『これまでなら給付対象だった世帯から手当を取り上げる』ことになりかねません。これが政治家だけでなく官僚も、児童手当の改革を嫌がる理由です。しかしながら今回、10万円の手当給付で噴出した異論を考えれば、そもそも現行の児童手当に問題があるのは明らかです。児童手当に所得制限をかけるなら、その規準は『主たる生計者の収入(世帯主)』から、『世帯収入』に法律を直すべきでしょう。今回の給付を急ぐために960万円の所得制限で押し切るにしても、今回の一件を契機に児童手当については政治家だけでなく有権者も参加した広範な議論が展開されることを期待しています」(同・篠原氏)

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。