ヤクルトとオリックスが激突…セ・リーグが9年ぶりに日本一になれるのか?

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強みは高津監督

 もちろん、ヤクルトが全てにおいて不利というわけではなく、オリックスを上回っている部分がある。それがリリーフ陣の安定感だ。レギュラーシーズンの救援防御率はほぼ同じ数字だが、チームホールド数はオリックスが107に対してヤクルトが149と大きく上回っている。先発投手陣が踏ん張って、いかに終盤まで接戦に持ち込めるかが大きなポイントだろう。

 もうひとつヤクルトの強みと言えるのが、高津臣吾監督だ。高津監督は現役時代、日本シリーズの5度出場して4度胴上げ投手となり、通算8セーブ、無失点と圧倒的な強さを誇った。そんな指揮官の存在はチームにとってこれ以上ないプラス材料であることは間違いない。

 トータルで考えると、オリックスが有利と感じる要因が多いものの、近年の日本シリーズに比べて、両チームに圧倒的な力の差は感じられない。今年は13年以来となる7戦目までもつれ込むような熱戦となることも十分に期待できる。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

2021年11月18日掲載

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